Withコロナで勝ち抜くための営業DXとは?(IT・SaaS/通信業界編)

コロナ禍で生活様式が変わる中、営業DXの注目度が高まっています。これまでの営業活動は、営業人員を増やして「数」で勝負するスタイルが主流でした。しかし少子高齢化による労働人口が減少や働き方改革の流れにより長時間労働が見直され、営業マンはより短時間で成果を上げることが求められています。

営業活動は経験、勘、根性をベースに属人的な営業方法より、テクノロジーを活用したロジカルで組織的な営業方法へのシフトが求められてきています。さらには、コロナ禍によりオンライン会議やテレワーク勤務が普及して行く中で、企業は営業面でもDX化を図る必要がでてきています。今回は営業DXとして、テレワークを実現するツールから、営業力強化を叶える革新技術についてご紹介します。

テレワークを実現する革新技術

Withコロナでビジネスを加速させるためには、テレワーク導入が欠かせません。オンライン商談は普及しましたが、在宅勤務の労務管理など課題を感じている企業も多いです。新型コロナウイルスの第6波が到来している状況の中、再度、テレワークを実現する革新技術について理解を深めておきましょう。

ビデオ会議

オンライン商談を実現するビデオ会議ツールは定着され始めてきています。ビデオ会議を活用した商談機会の進め方は、従来の流れと変わりません。しかし、モニター越しなので考えが伝わりにくいことを想定してビジュアルイメージを多用するなどの工夫が必要です。工夫が行えば、お客様と良好な関係を築けて売上を伸ばしていけるでしょう。

IP電話

テレワークを実現するためにIP電話に切り替える企業が増えています。IP電話を活用すれば、保有するPCやスマホで会社と同じ電話番号が使用できるようになります。また、CRMやSFAと連携できるため、リモート営業が実現しやすいです。IP電話を導入する際は、充実した機能を容易されている製品を選ぶことをおすすめします。

テレワークシステム

新型コロナウイルスでテレワーク導入が推奨された後に、急遽、NTT東日本とIPA(情報処理推進機関)が「シンテレワークシステム」を開発、2020年4月下旬にが無償提供を始めて利用者が拡大しています。

会社用PCと自宅PCに専用ソフトをインストールすれば、自宅PCの画面上に会社PCの画面が表示できます。動作が軽く、動画の再生もスムーズにできるテレワークシステムです。会社に出社をしなければ、必要なデータが取り出せないという課題を解決できます。

タスクマイニング

テレワークの導入の課題で多いのが労務管理です。テレワーク勤務では、従業員の勤務状態が見えないという課題が挙げられます。このような課題は、パソコンの利用ログ(キーボードの使用時間・閲覧サイトアドレス)を取得して、勤務内容を把握することで解決できます。

労務管理を解決するタスクマイニングと呼ばれるツールが続々と登場してきました。タスクマイニングは従業員の勤務状態を可視化するだけでなく、仕事が上手い人の働き方を考察する際にも使用されます。

参考資料:日経BP「日経テクノロジー展望 新型コロナに立ち向かう100の技術」

営業力強化を図る革新技術

テレワーク導入方法の理解を深められたら、営業力強化を図りましょう。「営業力向上」「組織力向上」「業務効率化」「生産性向上」などを実現できるシステムが続々と登場しています。

音声解析

音声解析システムを活用すれば、各担当者の営業手法を可視化できます。従来の営業は、担当者の経験と勘に委ねられていました。しかし、近年では音声データを解析した根拠に基づいた営業力強化が主流となってきています。

AIの音声解析により、トップ営業の話し方の特徴を可視化して、組織全体に共有すればボトムアップが図れます。また、音声解析したデータを参考に営業研修の内容を決めるなど工夫が行えます。

パフォーマンス測定

従業員のパフォーマンスを可視化して、業務改革を行う動きが始まっています。パフォーマンス測定ツールは、コールセンターのオペレーター測定に活用されており、平均処理時間、保留時間を可視化。各オペレーターが抱えている業務上の問題を見つけて改善し、営業力強化していく動きが出てきています。

オンライン教育

教育や研修でもオンライン化が一気に進みました。しかし、緊急事態宣言の外出自粛の影響で急遽、各社が対策を講じたため、受講者の興味を惹きつける教育や研修を用意するなど工夫の余地があります。オンライン研修は、仕事で必要な知識を伝達する場ですが、双方向で話し合う場と併せて用意して一方通行の情報発信にならないように注意する必要があります。

海外においては、モバイルを活用したモバイルマイクロラーニングが普及しており、職務上重要な知識とスキルを毎日数分学ぶことで、知識の強化が図れます。Qstreamというオンライン教育アプリにおいては、知識の保持が最大170%以上向上し、仕事の習熟度が平均17%向上できるものとして注目を集めています。

議事録自動生成

議事録を自動生成できるツールが登場してきました。会議は意思決定の場ですが、議事録を参加者に配布するなどの行為も含まれています。議事録作成は時間がかかりますが、議事録自動生成ツールを活用すれば、音声データを自動でテキスト化できます。

議事録自動生成ツールの中には、会議の後に次に何をするか、タスク管理できる機能が搭載されている製品もあるためチェックしてみてください。議事録作成の業務効率化が行えれば、コア業務に時間が充てられます。

無人コンタクトセンター

自然言語処理とニュートラルTTS(音声合成)の登場により、無人コンタクトセンターが完成しようとしています。

合成音声の品質は人間の実音声と区別ができないレベルまで到達。自然な応対ができるまで進化してきています。日々、顧客対応に追われている企業は、無人コンタクトセンターを導入すれば、顧客対応の業務効率化が実現できるでしょう。国内の無人コンタクトセンターとして「LINE AiCall」が注目を浴びており実証実験が行われています。

参考資料:日経BP「日経テクノロジー展望 新型コロナに立ち向かう100の技術」

革新技術で営業力を上げた成功事例

テレワークや営業力強化の方法をご紹介してきましたが、成果を上げている企業事例を把握しておきましょう。

コロナ禍でも収益186%増加(GMO TECH株式会社)

GMO TECH株式会社は、新型コロナウイルスの影響で在宅勤務体制に切り替わりました。リモートワークに切り替えても細かな組織マネジメントを実現したいとAI搭載型IP電話を導入。

各従業員の営業パフォーマンスを可視化して、営業の指導に成功しました。抽象的にならない根拠のある具体的なアドバイスをすることで、各担当者の営業力が大幅にアップ。デジタル投資をする時代の追い風を受けて、コロナ禍でも収益は186%上がりました。

参考資料:株式会社Revcomm「MiiTel導入事例」

テレワーク業務の効率化に成功(自治体)

NTT東日本と独立行政法人情報処理推進機構が共同で開発した「シン・テレワークシステム」が無償提供された際に、行政で業務効率化の実証実験が行われました。

シン・テレワークシステムを導入すれば、在宅で業務をしながら、オフィス端末のDドライブデータの加工・保存ができます。その結果、さいたま市役所では大幅な業務効率化に成功。テレワークの業務効率化に欠かせないシステムとして、全国の自治体で導入され始めています。

参考資料:さいたま市 都市戦略本部 行財政改革推進部「カイゼンニュース」

議事録完成までの時間を1/3に短縮(株式会社ティーネットジャパン)

 株式会社ティーネットジャパンは、会議の内容を要約して議事録を作成することに時間を要していました。議事録作成者は専任制ではないため、担当者の大きな負担になっていたのです。このような課題を解決するために、議事録作成ツールを導入。

同社は過去に議事録作成ツールを導入した経験がありましたが、音声品質が悪く満足な結果が得られていませんでした。しかし、AI精度が向上してきたタイミングで再度導入を決意したことで、議事録完成までの時間を1/3に短縮することに成功しました。

参考資料:株式会社アドバンスト・メディア「議事録 書き起こし 導入事例」

まとめ

今回は、Withコロナ時代でも売上を伸ばすためのテレワーク術&営業強化術をご紹介しました。最後に革新技術にどのようなものがあるかを、おさらいしておきましょう。

【テレワークを実現する革新技術】

  • ビデオ会議ツール
  • テレワークシステム
  • タスクマイニング

【営業力強化を図る革新技術】

  • 音声解析
  • パフォーマンス測定
  • オンライン教育
  • 議事録自動生成
  • 無人コンタクトセンター

新型コロナウイルスの第6波が到来している中、営業力強化のために導入を検討してみてください。