連続インタビューVol.8 ビズリーチ・茂野氏「インサイドセールスに向いている人は?」

みなさん、こんにちは。

株式会社ビズリーチ インサイドセールス部 部長 茂野 明彦氏へのロングインタビュー、第8回です。

前回は、「インサイドセールス導入時にやってはいけないこと、やるべきこと」を中心にお話を伺いました。

今回は「インサイドセールス導入後にやってはいけないこと」、「インサイドセールスに向いている人は?」についてお話していただきました。
また、今回もインサイドセールスグループ マネージャー高田 佳政氏にも登場いただきます。


株式会社ビズリーチ
キャリアカンパニービジネスマーケティング本部 インサイドセールス部 部長
茂野 明彦氏 / Akihiko Shigeno
大手インテリアメーカーを経て、人材系ベンチャー企業に転職。5年間大手通信会社に出向後、自社に戻り研修事業を立ち上げる。2012年8月、株式会社セールスフォース・ドットコムに入社し、グローバルで初のインサイドセールス企画トレーニング部門立ち上げに携わる。2016年12月、ビズリーチ入社。現在は、インサイドセールスグループとマーケティンググループを統括する。

ビジネスマーケティング部 インサイドセールスグループ マネージャー
高田 佳政氏 / Yoshimasa Takata
2015年 ビズリーチに入社。
主にスタートアップ、ベンチャー、中小企業様を担当し、ダイレクト・リクルーティングコンサルタントとして採用と事業成長を支援。ビジネスマーケティング部 インサイドセールスグループのマネージャーとして組織をまとめる。
※所属・役職等はインタビュー取材時のものです。

緻密に、柔軟に

――電話中や電話後に、やってはいけないこと・やるべきことはありますか?

茂野
どれぐらい重複活動を減らせるかが大切です。

例えば、電話しながら紙にメモを取って、電話が終わった後にメモをパソコンに打ち込むのは無駄ですよね。お客様と電話しながら、電話を切ったあとに送るメール内容はある程度頭の中で想像できると思います。

でしたら、メールのテンプレートを開いて電話しながらそこに文字を打って、「この電話が終わったらメールで詳細お送りします」と電話を切った後にすぐメールを送れば、すぐ次のお客様のことに切り替えられます。コールセンター用語で言うアフターコールワーク(ACW)の時間をどれくらい絞れるかということが量に繋げる上でもとても大切です。

「インサイドセールスで活躍する人は?」と聞かれて「架電量の多い方」と回答するのですが、実際に量をこなすというのはとても難しいことです。

リードを確認して、tooltip_2903_CRMに誰がみてもわかるように履歴を入力しながら55架電というのは不慣れなうちはかなり難易度の高い業務なんです。「55架電だけでいいんですか?」と言う人もいるのですが、厳密にやるととても大変で、質を担保し続けることができなくなります。

――インサイドセールスを導入し、ある程度軌道に乗り始めてからやってはいけないことはありますか?

茂野
古いKPIに縛られないことです。

何を目的にするのかを少なくともクォーター単位で判断をしていくことです。
例えば商談数を最大化したいのか、商談化率を最大化したいのか、成約数なのかということは時々に変わると思います。

インサイドセールスは基本的にダブルカスタマー(エンドのお客様と社内の事業部)ですので、常に顧客のニーズは汲まなければいけません。今フィールドセールスが何を欲しているのか、例えばフィールドセールスの成長が見込まれてきて、またメンバーが増えて来たので、成約率は下げても良いから商談数が欲しいといった要望に応える必要があります。

インサイドセールスはそのような変化に対して柔軟に対応する必要があると思いますし、常にそのチャレンジをしなくてはいけないという想定をインサイドセールス側がしておくことが必要です。

――KPIを変更するタイミングについて、何か例はありますか?

茂野
オーダーによっては大きくROIを崩すということもあります。

例えば、新しい施策を行うですとか、新しくビジネスを立ち上げるから最初はお客様と話す機会を徹底して増やしたいという時にはKGIを売上ではなく、商談数というポイントに変化させるなどということはビズリーチでもたまに行いますし、様々な部署と相談して都度決定することがよくあります。

プロモーションさせても戦力が変わらない組織であるために

――ビズリーチ独自のKPIはありますか?

茂野
前にもお話したポイント制度は独自でユニークだと思います。サービスが多数あるため、ポイントでバランスをとっています。(詳細はこちらの記事をご覧ください)

高田
また、ホットリードに対する5分以内のアプローチフォロー率を見ていました。
これはInsidesales.comの調査の話にもありましたが(詳細はこちら)、コンバージョンレートを高くするために追っていました。

茂野
その他に、特定のリードは粒度を細かくして、フォーカスしています。リードソースごとにフォローの定義が異なるため、そこをモニタリングするというのは常に心掛けています。

また、ビズリーチのインサイドセールスはプロモーションサイクルが早いため、アベレージテニュア(平均在籍月数)を見ています。

戦力係数1.0の人が◯人いますということも大事なのですが、経験月数もとても大事です。ある程度の平均在籍月数を保っておかないと、組織の崩壊を招く恐れがあります。経験の長い人がいると、組織の負を吸収してくれたり、若手メンバーの質問に答えてくれたりと組織が安定します。

ビズリーチのインサイドセールスはプロモートする組織ですので、そのコントロールをしないと若い人ばかりになってしまいます。そうすると見た目上の戦力係数は変わらなかったとしても、例えば、生産性低下を招いたり、組織の問題が起こったりしますので、平均在籍月数である程度コントロールするようにしています。

例えば、平均在籍月数4ヶ月、一番長い人で6ヶ月などになってしまうと組織は瓦解(がかい:物事の一部の崩れから全体の組織がこわれてしまうこと)してしまいます。

ーー以前、少しお伺いしましたが、改めて入社してからインサイドセールスに配属される前後の在籍月数をお伺いできますでしょうか。

茂野
全体研修を約1ヶ月し、インサイドセールスに配属されてから大体8-9ヶ月程を経験した後、オンラインでの商談業務に行き、その2-3ヶ月後にフィールドセールスに行くという感じです。

――その期間は人によって異なるのですか?

茂野
はい、パフォ―マンスによって異なります。

――KGIを数ヶ月達成したら、次のフェーズに進むといったことはないのですか?

茂野
はい、ありません。絶対的にではなく、相対的に行っています。
そうしなければ先程のアベレージテニュア(平均在籍月数)のコントロールが効かなくなりますし、仮に進んでいくとしても相当数の余剰人員がいないと出来ないと思います。

例えば、◯ヶ月連続KGI達成したら、次のフェーズにいけるというルールで、今月の対象が10人中5人でしたとなった場合、翌月に戦力係数1.0の人が半数いなくなることになります。それでは翌月のインサイドセールスチームが崩壊してしまいます。そのため、相対的に判断をしています。

また、相対で評価するもう一つの理由として、時期によって環境が異なるからです。偶然良いリード沢山取れた時期かもしれないですし、ビジネスがスケールした時期かもしれません。絶対評価にしてしまうとそういった季節性の要因に引っ張られてしまいます。例えば、大きいイベントがあった時とそうでない時ではパフォーマンスが異なってくるためです。

インサイドセールスのプロに必要な要素

――インサイドセールスにはどんな人が向いていますか?

茂野
色々なタイプがあるとは思いますが、やはり素早く且つ正確なオペレーションを実行できる人です。

繰り返しになりますが、量をこなせる人と勘違いされることがあり、「沢山電話を架ければ良いんですよね?」と多くの人が答えます。それ自体はイエスなのですが、インサイドセールスとテレアポの違いはまさにここにあり、インサイドセールスが沢山電話をすることはとても大変なのです。

まず、電話をするためのリスト作成が困難を極めます。電話番号だけ並んでいるリストを誰かが作ってくれるわけではありません。ニーズのない所に電話をしても仕方がないため、様々なロジックを元にリストを作ります。お客様のニーズに合わせて、正しい提案が出来るように、より確度の高いリストを作る必要があるのです。

それから、インサイドセールスは電話をするだけでなく、ナーチャリングもします。メールを送ることもありますし、顧客管理システムに活動履歴を入力する必要もあります。このオペレーションを高速なサイクルで回さなければならないのです。

その仕事の中には思考力が必要であったり、工夫することが求められたりしますし、様々なオペレーションが速いという要素が組み合わさって電話を沢山出来る人なのです。ですので、インサイドセールスに向いているのは、そういう緻密なことが出来た上で量をこなせる人ということが大事です。

あとは、楽観的である必要があります。たとえば過去の接触履歴を見て、半年前に言われた「今は人材サービスが必要ないという」内容に委縮してしまって電話をかけられない人もいます。

そんなときに「いまは状況が変わっているかもしれない」とポジティブに考え、更にそこに市場の変化、環境の変化を加味してチャレンジできる”プロとしての姿勢”が求められます。つまり楽観性があり、気持ちの強く、創意工夫ができる人が成果を出しています。

そしてもうひとつ外せないのは顧客に興味を持てる人です。「なぜこの企業はこの事業をやってるのだろう?他社とどう違うのだろう?この方の役割はなんだろう?いまどんな感情なのだろう?」そういったことに思いを巡らせることができなければ質の高いコミュニケーションを行うことはできません。

もしこの記事をインサイドセールスに従事している方が読んでいるのであれば、ぜひもう一歩、顧客への理解を深めてみてください。きっと素晴らしい成果につながるはずです。

次回予告

さて、お話はまだまだ続きますが、第8回はここまでとさせて頂きます。
次回は「インサイドセールスの採用について」、「スランプに陥ったときにはどうすれば良いのか?」について公開予定ですのでお楽しみに!

【過去記事】
第1回インタビュー記事「インサイドセールスが企業の成長に欠かせない理由とは?」
第2回インタビュー記事「ビズリーチがインサイドセールスに注力する理由」
第3回インタビュー記事「インサイドセールスチームの組織や採用」
第4回インタビュー記事「人材育成・モチベーション管理・定量目標」
第5回インタビュー記事「業務を円滑にするために工夫しているポイント」
第6回インタビュー記事「インサイドセールス導入後に注意すべき、組織間のコミュニケーションや体制構築」
第7回インタビュー記事「インサイドセールス導入時にやってはいけないこと、やるべきこと」


株式会社ビズリーチについて

「インターネットの力で、世の中の選択肢と可能性を広げていく」をミッションとし、2009年4月より、人材領域を中心としたインターネットサービスを運営するHRテック・ベンチャー。東京本社のほか、大阪、名古屋、福岡、シンガポールに拠点を持ち、従業員数は1,238名(2018年6月現在)。即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」や、挑戦する20代の転職サイト「キャリトレ」、AI技術を活用した戦略人事クラウド「HRMOS(ハーモス)」、求人検索エンジン「スタンバイ」、事業承継M&Aプラットフォーム「ビズリーチ・サクシード」などを展開。
参照URL:https://www.bizreach.co.jp/