Withコロナ時代の人材業界で勝ち抜く方法とは?インサイドセールスによる営業強化策

新型コロナウイルスに影響で、有効求人倍率は1.04倍にまで下がりました。求人件数が減少して、求職者は増加。採用市場は買い手市場に転換して、人材業界は淘汰の時代を迎えようとしています。

新型コロナウイルスで営業方法が大きく変わる中で、営業支援ツールを導入してビジネス機会を得ることに成功している人材会社も存在します。人材業界は、新たな営業手法を導入することで営業力強化が求められています。
本記事では、インサイドセールスを導入して営業力を強化するコツについて紹介します。

コロナ禍でインサイドセールスが求められる人材業界

リーマンショック後は、採用市場規模は2,000憶から700億円まで縮小しました。新型コロナウイルスも採用市場規模が縮小しますが、人材会社に与える打撃は市場縮小だけではありません。なぜ、インサイドセールスを導入して営業力強化をしなければいけないのでしょうか?
ここでは、人材会社がコロナ禍でインサイドセールスを導入が求められる背景について紹介します。

【1】買い手市場による競争激化で営業力強化が必要

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で日本経済は停滞しています。厚生労働省が公表している「一般職業紹介状況(令和2年10月分)について」では、2020年10月の有効求人倍率は1.04倍で、緊急事態宣言発表前の1.50倍と比較すると0.46ポイントの大幅な減少。正社員有効求人倍率は0.79倍で、求職者1人に1件の正社員求人がないことが分かります。
求人数が減少傾向ですが、解雇者数は増加傾向のため、採用市場は買い手市場への転換が起こり始めているのです。求人数減少で人材会社は競争激化となり、仲介手数料の引き下げや、最安サービスを提供したりする人材会社も登場してきています。
このように競合激化の市場でも、売上を伸ばすために営業力強化が求められているのです。

(参考:https://keyplayers.jp/archives/17068/)
(参考:MarkeTRUNK「2020年の最新採用市場・トレンドは変わる!売り手市場から買い手市場へ」)

【2】営業エリア拡大でビジネス機会を得る

独立行政法人労働政策研究・研修機構「職業紹介-都道府県別有効求人倍率」では、全国的に有効求人倍率は減少しているものの、福井県1.49倍、岡山1.44倍と地方の有効求人倍率は依然と高い傾向です。この結果から分かるように、営業エリア拡大をすることでビジネス機会が得られます。
新しい営業手法で注目を集めるインサイドセールスは、米国で導入されていたものです。直接相手の職場に出向くフィールドセールスとデジタルツールを駆使して営業するインサイドセールスに分けられており、営業活動の効率化が実現できます。
デジタルツールを活用して営業を強化すれば、ローコストで簡単に営業エリアの拡大ができます。競争激化する採用市場で売上を伸ばすためには、営業エリア拡大も検討するべきでしょう。
(参考:Softbank「新しい営業スタイル「インサイドセールス」。その概要と重要性とは?)

【3】コロナ禍で従来型営業が行えない

これまで、人材会社は1日10件程度の飛び込み営業をしていました。しかし、新型コロナウイルス感染を懸念して非対面型営業が推奨されるようになり、従来型の営業が行いづらくなりました。コロナ禍で従来型の営業が行えずに、大きな打撃を受けている人材会社は多いです。
そのような背景で、オンライン商談や営業支援ツールを積極的に導入する人材会社が増えてきています。
マーケティングオートメーションを活用した追客施策を立てるなど戦略を練っている人材会社は、コロナ前より受注数を伸ばすことに成功しています。このように、Withコロナ時代をビジネス機会として捉えるために、営業力強化が必要なのです。

(参考:マーケロボ「たった2ヶ月で4件の受注。神戸を中心に人材派遣業を展開するワークネット株式会社が営業DXに挑む」)

【4】潜在顧客育成や既存顧客と良い関係を築く必要がある

採用市場は、買い手市場への転換が起こり始めているため「顧客育成(ナーチャリング)」を大切にしていくことが求められていきます。潜在顧客が求める情報を定期的に届けるなど、中長期的に関係を構築して、案件化していく必要があるのです。
また、既存顧客と良い関係を構築していくことも求められるでしょう。採用市場が激化によって、きめ細かくて満足してもらえる営業を行っていけなければならないのです。
(参考:ListFinder「リードナーチャリングで顧客を獲得。実施前の準備から手法まで」)

補足:人材会社は新サービスを考案していく必要がある
新型コロナウイルスで、日本経済は停滞しています。採用市場は、中小企業が活性化することで売り手市場に戻るのです。このような点に着目して、大手人材会社エン・ジャパンでは、生産性を上げて日本経済を立て直すためにDX支援ツールを開発することを発表しました。中小企業の業務効率化を支援して、採用市場を売り手市場に戻そうという試みです。

また、各業界でDX化は推進されており、DX人材の有効求人倍率は上昇しています。そのため、DX人材育成に注力する人材会社も登場してきました。このように、各社で新サービスを提案する時代が到来してきているため、営業強化して業務効率化していき、新たな戦略を立てていく必要があるのです。

(参考:BUSINESS INSIDER「エン・ジャパン社長が語る「DX事業に100億円」の真意…中小企業の生産性向上なければ未来はない」)

インサイドセールスで営業力強化の成功事例

withコロナ時代に、インサイドセールスで営業力強化をしていく必要性について理解して頂けたと思います。大手人材会社では、緊急事態宣言前からインサイドセールスによる営業効率化が行われており、売上を伸ばし続けているのです。
ここでは、インサイドセールスで営業力強化に成功した事例を紹介します。ぜひ、インサイドセールス導入の参考にしてみてください。

リクルートキャリア:成約率2倍UP

大手人材会社リクルートは、強力な営業力を武器に顧客開拓に成功している印象が強いが、売り手市場で人手不足を感じる中で、従来型営業では限界が出ると痛感。また、新規顧客の獲得だけではなく、既存顧客のフォロー体制強化を検討しており、CRMMAツール等のインサイドセールス導入を決意しました。
Web上で顧客のアクションを検知したら、アラートメールを飛ばして架電できる体制を整えました。顧客アクションから2時間以内に架電することで、成約率は2倍以上に伸ばすことに成功したのです。
また、アクションに応じて架電するか否かを判定していくことで、クレーム発生率を下げることにも成功しました。
(参考:Marketo Engage「リクルートキャリア」)

パソナキャリアカンパニー:面談率150%UP

大手人材会社パソナキャリアカンパニーでは、売り手市場による人材の新規獲得の難しさ、長期フォロー体制の難しさに直面していました。
登録から入社までの連絡業務をキャリアアドバイザーが一貫体制で行っていたため、業務量も増えていたのです。そのため、担当者の業務負担を軽減する目的で、MAツールによるメール送信の自動化を実施。
パソナキャリアカンパニーでは、求職者との中長期的に関係を構築するためにメール内容に工夫を施しました。メルマガに返信が届いた場合は、キャリアアドバイザーにアラートを飛ばすなどフォローしやすい仕組みを実現しました。この施策により、求職者の面談設定率を前年比150%アップさせることができたのです。
(参考:Marketo Engage「パソナキャリアカンパニー」)

ネオキャリア:通話率2倍UP

大手人材会社ネオキャリアは、顧客管理の仕組みは整えられていたが、顧客に対するマーケティングは不十分だと感じていました。また、顧客の優先順位が上手く付けられておらず「もう電話をしてこないでください」と機会損失を招くこともあり、これらを改善するためにインサイドセールスの導入をしました。
顧客ごとに、メール配信のタイミングと届ける情報に工夫を加えることで、メール反応率が約1.5倍にアップ、着電率も2倍にアップ。メール配信は自動化しており、リソースを増やさずに、成約率を伸ばすことに成功しました。
(参考:KAIROS「株式会社ネオキャリア」)

人材業界で営業力強化(インサイドセール)する際のポイント

大手企業はインサイドセールスを導入して営業力強化に成功しています。実際に、導入を検討している企業もいるでしょう。導入前にインサイドセールス導入時のポイントを押さえておくことが大切です。ここでは、人材業界が営業力強化で、インサイドセールスを導入する際のポイントについて解説します。

【1】現場の意見を反映させる

メール内容に工夫をして、顧客と中長期的な関係構築に成功したパソナキャリアカンパニー。求職者面談率150%アップに成功した秘訣は、MAツール導入前に業種別10領域に分かれているキャリアアドバイザチームのマネージャーをアサインしたことです。
メール内容や施策、アラートのタイミングなどに関して、現場の意見を反映しました。また、参考になる意見を出してもらうためにMAツール勉強会も同時に開催するなど工夫をしています。
(参考:Marketo Engage「パソナキャリアカンパニー」)

【2】インサイドセールス部隊を設ける

成約率2倍アップに成功したリクルートキャリアでは、インサイドセールス部隊を設けています。テレアポとインサイドセールスの大きな違いは、潜在顧客育成(リードナーチャリング)するかどうかが大きく異なります。
潜在顧客別に必要な対応を見極めて、きめ細かなフォローをして、中長期的に良好な関係を築いていくことで案件化(商談化)できるのです。また、デジタルツールを活用した営業手法は、PDCAを回して改善していくことができるため、ベストプラクティスを共有して成約率を上げていくことができます。
(参考:Marketo Engage「リクルートキャリア」)

【3】従業員教育を実施する

デジタルツールを活用して情報を提供したり、必要に応じて架電したりするインサイドセールス部隊を設ける際は、教育が欠かせません。インサイドセールスの重要性やMAの仕組み、マーケティングの取り組みについて説明する必要があります。
とくに、顧客に対して架電する心理的なハードルは高いです。そのため、顧客が架電を求めていることをマーケティング観点から説明しなければいけません。インサイドセールス部隊に、マーケティングに対する理解を促すことで、成約率が伸ばせるようになるのです。
(参考:Marketo Engage「リクルートキャリア」)

【4】運用後も定期的に見直す

インサイドセールス関連ツールは導入して終わりではありません。ツールの導入目的は、各部門の業務効率化です。業務効率化が上手く行えれば「こんな施策もお願いしたい」という現場の声が上がってくるはずです。
その一方で、導入効果が感じられない場合は、課題点を見つけて改善していかなければいけません。運用後も定期的に見直していくことで、成約率を上げたり、業務効率化が見込めたりするものなので、定期的に見直して改善していきましょう。
(参考:Marketo Engage「パソナキャリアカンパニー」)

まとめ

今回は、Withコロナ時代に人材会社が営業力強化を求められる背景と営業力強化策を紹介しました。採用市場は、売り手市場から買い手市場に転換して、人材業界は競争激化しています。しかし、インサイドセールスを導入して営業力の強化を行えば、商談化率や成約率の向上や営業エリア拡大が見込め、ビジネスチャンスが広がります。
大手人材会社では、営業効率化の目的で早期にインサイドセールスが導入されています。どのように営業力強化しているのか参考にすることで、スムーズに導入や運用が行えるはずです。ぜひ、参考にしてみてください。