連続インタビューVol.3 ビズリーチ・茂野氏「インサイドセールスチームの組織や採用」

みなさん、こんにちは。
株式会社ビズリーチ インサイドセールス部 部長 茂野 明彦氏へのロングインタビュー、第3回です。

第2回は「ビズリーチ入社に至った経緯」や「ビズリーチがインサイドセールスに注力する理由」、そして「リード数×コンバージョン率×人員計画という方程式の最適解」についてお話していただきました。

今回は「見込み顧客を獲得するために行っていたこと」と「インサイドセールスチームの組織や採用」を中心にお話を伺いました。




株式会社ビズリーチ
キャリアカンパニービジネスマーケティング本部 インサイドセールス部 部長
茂野 明彦氏 / Akihiko Shigeno
大手インテリアメーカーを経て、人材系ベンチャー企業に転職。5年間大手通信会社に出向後、自社に戻り研修事業を立ち上げる。2012年8月、株式会社セールスフォース・ドットコムに入社し、グローバルで初のインサイドセールス企画トレーニング部門立ち上げに携わる。2016年12月、ビズリーチ入社。現在は、インサイドセールスグループとマーケティンググループを統括する。
※所属・役職等は取材時のものです。

 

リードを獲得するために行っていたこと

——パイプライン評価を変えたというお話がありましたが、リードの獲得方法については変えなかったのですか?

茂野
変えなかったです。

——ちなみに、当時どのような方法でリードの獲得を行ってましたか?

茂野
オンラインとオフラインの両方から行っていました。

オンラインが中心で、主にデジタル広告を活用していました。
オフラインでは自社開催のセミナーやイベントを通してリードの獲得をしていましたが、展示会にはそれほど多く出展していませんでした。

オフラインとオンラインの予算の割合は月々によって変わりますが、オンラインが70%ほどでした。

——営業支援やマーケティング効率化のためにツールは何を利用されていますか?

茂野
SFA(営業支援システム)はセールスフォースを使っています。
先程お話したパイプライン評価を変える際には、セールスフォースは変えずに、「いま商談すべき案件なのか」を明確に判別できるようにしました。
(詳細は第2回インタビュー記事ご参照)

また、マーケティングオートメーション(MA)ツールは当時から利用していましたが、豊富な機能のうちのメール配信システムしか使用していなかったため、いまはSalesforce社が提供しているPardotに変更しました。

入社後の組織体制

——茂野さん入社後にインサイドセールスやセールスマーケティングの組織体制の変更に着手されましたか?

茂野
まずは採用です。前回もご紹介しましたが、リード数に対して圧倒的に人が不足していました。また、将来ビズリーチのコア人財として活躍するような人を採用・育成していきたいという思いもあり、人財採用部の協力を得て、採用を強化していきました。

加えて”組織のセントラル化”に着手しました。それまでは各事業やプロダクトにマーケティングやインサイドセールスが所属していましたが、お客様の多様なニーズに適切かつ効率的に対応するためにセントラル化に踏み切りました。

いい組織を作るために採用で見極めるべきポイント

——採用活動はいつ頃からどのように行われましたか?

茂野
私が入社したのは2016年12月でしたが、2017年3月くらいから人財採用部と一緒に採用の準備を始め、5月には内定を出していました。

そこから徐々に採用人数を増やしました。
ちなみに、インサイドセールスのポジションで採用したメンバーで、いまはフィールドセールスチームに異動し活躍しているメンバーも多くいます。

——採用するときに何か意識されていることはありますか?

茂野
個人としての側面とチームとしての側面、2つを意識しています。

個人としての側面で重視することは3つあって、①論理的思考力、②素直さ、③バリューフィット です。

まず、論理的思考力については、もう少し具体的に言うと複雑に絡み合った事象を体系的に整理して、構成要素を分解して各構成要素の重要度に鑑みて優先順位を付ける力です。ビズリーチは複数のサービスがあり、それぞれ特徴が違うのでお客様の悩みに合わせて最適なサービスをご提案する必要があります。

また様々な業界のお客様とお話させていただくので、情報量が膨大になります。従って、膨大な情報を吸収して何が重要かを整理し、社内・社外の人に分かり易く伝える論理的思考力と発信力が不可欠です。

次に、素直さですが、これは絶対条件です。インサイドセールスはマインドセット次第では容易に言い訳ができてしまうので、他責傾向な人には仕事を任せることは難しいと思います。今の自分に足りないものを客観視して、誠実に認め、貪欲に学ぶ「素直な心」は重要です。

最後に、やはり当社のバリューに共感いただけるか、マッチしているか、という点を非常に大切にしています。入社後にイキイキとご活躍いただくためには、バリューフィットが必須だと考え、全社として重視しています。

チームとしての側面で重視するのは「バランス」です。
営業のタイプって、よく3タイプに分かれるといわれますよね。

  1. ユニコーン(リーダー気質を持つ人)
  2. パフォーマー(数字を出す人)
  3. カルチャービルダー(ルールを重視する人)

この3タイプの営業が、バランスよく集まっているチームは凄く強いので、現在のチームに足りていないのは3タイプのうち、どのタイプの営業か常に客観視した上で、採用戦略を立てています。

——大変勉強になります。
——個人としての側面の「論理的思考力」ですが、限られた時間内に見極めるのに茂野さんが実践している方法を教えていただけますか?

茂野
具体と抽象の質問を行ったり来たりすることです。

例えば、「営業に必要な要素ってなんだと思いますか?」といった抽象的な質問をした時の回答スピードやバランスが取れた回答であるかで見極めています。
他には、過去の営業での成果を体系化した話をお聞きすることもあります。
そして、そういった抽象度の高い思考や学びをどのように具体的な活動に落とし込んで活用しているのか、といったことも併せて伺っています。

具体と抽象の質問を行ったり来たりして、その質問に回答するためには、そもそも思考が体系化されていないと答えられないですよね。たとえ、体系化されていなかったとしても、質問したその場で構成要素を整理する事が出来れば論理的思考力の素養がありますので、あとは回答へのスピードを見ています。

——2点目の、「素直さ」を見極めるポイントはありますか?

茂野
失敗体験から何を学び、どのように自らを変えたのか、そしてそれが成果に繋がったのか、といった具体的なエピソードを深く掘り下げて見極めています。

——3要素がそろったバランスの良い組織についてもう少し詳しく教えてください。

茂野
ユニコーンはリーダー気質な人、パフォーマーは数字を叩き出せる人、カルチャービルダーはルール・チームワークを重んじる人です。この3要素がそろっている組織がバランスの取れた良い組織と考えています。

このバランスがしっかりとれるように、人の良いところを見るようにしてます。
ユニコーンだけですと角がぶつかっちゃいます(笑)。パフォーマーだけですと組織は崩壊してしまいますし、カルチャービルダーだけですと成果が上がっていかないというわけです。

そして、個人の成長を考えた時には、強みとなる能力を伸ばすことが大切と考えています。ユニコーンタイプにはリーダーとしての振舞いをしていただく、パフォーマータイプにはパフォーマンスに集中してもらうなど、それぞれの強みを伸ばすことを心がけています。

強みを伸ばしきったら、能力の幅をもったマネジメント人材を育てる目的で、他の要素も持つ意識をしてもらっています。

次回予告

さて、お話はまだまだ続きますが、第3回はここまでとさせて頂きます。
次回は「どれくらいで定量的な成果が出てくるのか?」について公開予定ですのでお楽しみに!

 

【過去記事】
第1回インタビュー記事「インサイドセールスが企業の成長に欠かせない理由とは?」
第2回インタビュー記事「ビズリーチがインサイドセールスに注力する理由」


株式会社ビズリーチについて

「インターネットの力で、世の中の選択肢と可能性を広げていく」をミッションとし、2009年4月より、人材領域を中心としたインターネットサービスを運営するHRテック・ベンチャー。東京本社のほか、大阪、名古屋、福岡、シンガポールに拠点を持ち、従業員数は1,238名(2018年6月現在)。即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」や、挑戦する20代の転職サイト「キャリトレ」、AI技術を活用した戦略人事クラウド「HRMOS(ハーモス)」、求人検索エンジン「スタンバイ」、事業承継M&Aプラットフォーム「ビズリーチ・サクシード」などを展開。
参照URL:https://www.bizreach.co.jp/