WithコロナにおけるSaaS企業の営業力強化策とは?

新型コロナウイルス感染症の影響で訪問営業が行いづらくなった一方で、新たな営業手法としてインサイドセールスが注目されてきています。

本記事では、WithコロナにおけるSaaS企業の営業強化について詳しく紹介します。

Withコロナにおける営業での問題点

新型コロナウィルス禍の環境下では、多くの企業がオンライン営業を行っています。オンライン営業には、通常の対面営業とは異なり、さまざまな問題が起こります。まずは、オンライン営業で発生する問題について見ていきましょう。

空気感や雰囲気が伝わりづらい

対面営業では、話し方や仕草、雰囲気などから熱量や温度感が相手に伝わりますが、オンライン営業ではうまく伝わりません。営業トークに対する相手の反応もうまく伝わってこないことで、相手の心情を十分に考慮した会話ができず、相手との距離を縮めることが通常の対面営業よりも難しいです。

(参考:Senses Lab.「オンライン商談のコツ|コロナで変わる営業スタイル」)

事前に快適な通話環境の構築をしなければならない

オンラインでスムーズな営業を行うためには、途中で回線が切れたり、映像が乱れたりしないように気を付けなければなりません。十分なスペックのパソコン、ノイズを拾わないマイクやヘッドフォン、Webカメラ、オンライン営業ツールなどを事前に用意する必要があります。

顧客とリアルで親睦を深めることが難しい

対面営業では、顧客と直接顔を合わせることで、さまざまな話題についてトークができ、さらには、食事の席で親睦を深めて潜在ニーズを引き出すことで案件を取ることができました。しかし、コロナ禍においてそのような手法は使えません。

(参考:PENCIL「コロナ禍でみえてきた未来の営業スタイル。営業職はなくなるの?」

WithコロナにおけるSaaS企業の営業

セールスフォース・ベンチャーズは、B2BSaaSスタートアップ企業を対象に「新型コロナウイルスのSaaS企業への影響に関する実態調査」を実施しました。

約9割の企業が新型コロナウイルス感染症の影響を見越して、「何らかの営業戦略を変更した」と回答。そのうえ、約7割の企業が「新たな収益の機会を見出すことができた」と回答。SaaSスタートアップ企業においては、柔軟に営業戦略を変更した事が功を奏していることが判明しています。

(参考:salesforce「DNX Ventures、Salesforce Ventures共同 新型コロナウイルスのSaaS企業への影響に関する実態調査 B2B SaaSスタートアップ企業の97%が「コロナがDX加速の追い風」と回答 SaaSによるデジタル変革への期待の高まりが明らかに」)

SaaS企業の営業力強化策とは?

Beautiful smiling call center worker in headphones is working at modern office.

新型コロナウィルス禍の環境下では、多くのSaaS企業が環境変化に合わせた営業力強化の施策を講じています。

『THE MODEL』を参考にした営業組織の構築を行っている

セールスフォース・ドットコムが活用していた「THE MODEL」と呼ばれる営業プロセスモデルを組織作りに取り入れることで、コロナ禍でも成約率の向上が期待できます。

案件数を増やすには、見込み客の獲得数の増加、商談化率の向上が必要です。「THE MODEL」は、見込み客を獲得するための「マーケティング」、商談につなげるための「インサイドセールス」、成約するための「外勤営業」、継続させるための「定着化支援」にプロセスを分け、それぞれに目標数値を設定します。

プロセスを分けるとともに数値で達成状況を明確化することで、リードから成約に至るまでの問題点を早く探り出せるため、PDCAサイクルのスピードが上がるります。また、各段階を担当する部門が自分の業務に専念できることで質が高まり、成果が出る営業組織を作ることができます。

(参考:salesforce「営業効率を最大化する「The Model」(ザ・モデル)の概念と実践」」

リモート営業を可視化、PDCAで営業を強化する仕組み

リモート環境でも営業プロセスをPDCAサイクルで評価する仕組みがあれば、コロナ禍においても成果を出すことができます。例えば、電話営業を可視化するIP電話を使うと、トーク内容を上司や先輩社員に簡単に共有することができ、すぐにフィードバックを受けることができます。さらには、営業電話の内容を自ら聞いて、「話すスピード」や「話し方やトーン」などを見直すことで、セルフコーチングの仕組みを簡単に実現することができます。

株式会社マネーフォワードは、電話営業を可視化してフィードバックを行う仕組みを導入することで、最低3ヶ月かかっていた新人教育が1ヶ月に短縮することができました。速やかに営業電話の内容のフィードバックを受けられるだけではなく、良いトークを集めた「ナイスコール集」を活用して自ら育つ環境を整えることができました。

また、株式会社ヤプリでは、アポイントを獲得できた通話記録をメンバーと共有して、セルフコーチングに活用しています。メンバーごとのアポイント獲得率や適正な架電数の設定を行い、必要なアポイント数に対する行動量を分析することで、結果的に架電数が約1.5倍に増えました。

(参考:MiiTel「新人教育が3ヶ月→1ヶ月に大幅削減 フィールドセールスが電話音声データをアポの事前準備に活用」)

(参考:MiiTel「架電数が約1.5倍に 自主自立を重視した教育体制を確立」)

顧客の課題解決にフォーカスしたコミュニケーション

提供するサービスが顧客の課題を解決できなければ成約には至りません。株式会社Sansanでは「顧客がいま何に困っているのか」「顧客の課題解決に自社がどのように役立つのか」にフォーカスしたコミュニケーションを実施し、案件化数は前四半期を上回り、通期記録を更新するほどの成果を挙げることができました。

また、オンライン商談でも名刺交換ができるように、オンライン名刺機能を速やかに開発したことで、スムーズなアイスブレイク商談相手の肩書や所属部署の把握などが可能になりました。

(参考:sansan「イベントレポート「新生活様式」でどう変わる?営業手法のニューノーマルとは

~ 成長する組織であるために、いま考えるべきこと ~」

「目的スライド」の作成と共有をする

オンライン営業の場合、対面を伴わないがゆえに、話をまとめにくい難点があります。

セールスフォース・ドットコムでは、商談ゴールを明確化するため、「目的スライド」の作成と共有を実践しています。会議の目的とゴールを簡潔にまとめたスライドを作っておき、最初と最後に画面で共有します。内容は箇条書きで、要点を数行まとめるだけのものになります。

(参考:オンライン営業を成功させるには?ポイントやメリットを紹介

顧客との接点を複数回持つ

コロナ禍においては、リアルな展覧会やセミナーでの集客が難しいため、ウェビナーやオンライン相談会などを開催することでコミュニケーションの機会を増やすことも大切です。興味をもった見込み客に対してインサイドセールスとナーチャリングを行うことで、結果的に売上が上がることが期待できます。

(参考:ビジネス+IT「コロナ後のBtoB営業・マーケは、どのようにスタイルを変えるべきか」)

パイプラインとToDo管理を徹底化する

オンライン営業では、顧客とタッチポイントを増やすことが重要ではありますが、SmartHRでは、パイプライン管理とToDo管理を徹底することで、初回商談から決めたことを遅滞なく取り組むことができ、顧客との信頼関係を構築できる体制を整えています。

(参考:スモールスタートから始まる、オンラインセールスのすすめ〜株式会社SmartHR セールスグループ 正木聡帆さん〜

まとめ

今回は、WithコロナにおけるSaaS企業の営業力強化の必要性と、具体的な営業力強化策を紹介しました。SaaS業界はWithコロナの時代でも売上が低迷しづらく、むしろSaaSの普及に強い期待を抱く企業が多くなっています。このタイミングで営業力強化を図ることで、SaaS業界の競争に勝ち抜くことができるでしょう。また、成功事例を見ると、スタンダードな事をスピーディーに行っている点は参考になるかと思います。SaaS企業が実践している営業力強化策を参考にして、Withコロナ時代でも高い成約率を維持できる企業を目指してみてください。