Withコロナ時代を生き抜くMRのトーク術と求められる11つの資質

 新型コロナウイルス感染拡大防止で訪問規制が強化され、MRは医師と頻繁に会うことができなくなりました。従来のようなザイアンス効果(会う回数を増やせば好意・関心が増える)を狙った訪問営業は意味がなくなりつつあります。

医師自身が医薬品等の情報をインターネットで検索できる時代では、訪問の「数」ではなく「質」を意識する必要があります。一体、どのように営業すれば良いのでしょうか?今回は、Withコロナ時代を生き抜くMRのトーク術と求められる資質について解説します。

医師とアポイントが取れるトーク術

Withコロナ時代で医師とアポイントを取るためのトーク術は「型」があります。医師から「会ってみたい」と思われるトークとは、どのようなものでしょうか?それはこの人と話をすれば有益な情報が得られるということが伝わるトークで、主に以下のように話します。

1.自己紹介する

最初に自己紹介を簡単にします。自己紹介では、自社のコーポレートスローガンを付けたり、推している製品名を紹介したりしましょう。どのような製薬会社かが簡単に分かる自己紹介をします。

MR「こんにちは。〇〇領域で患者さんに貢献する〇〇製薬の田中です。」

2.メリットを説明する

次に、医師が話をして得られるメリットを説明します。

MR「世界〇〇カ国以上で販売しております新薬〇〇〇が発売となりました。〇〇病を治療するための選択肢を広げられると思います。」

3.売り込みではないアポ依頼

次に、売り込みではないことを伝えてアポを依頼します。製薬の売り込みをしようとするMRもいますが、鬱陶しく思われてしまう恐れがあるため注意してください。あくまでも医師のサポートがしたい旨を伝えましょう。

MR「〇〇病の患者様の治療をサポートさせて頂くためにも、この領域の専門である〇〇先生の意見をお伺いしたいのですが。」

4.その日にいるか?いないか?の質問をする

 アポ取りをする場合は「いるか」「いないか」を聞いてください。「いつご都合が宜しいですか?」と尋ねても流されてしまいます。そのため「〇〇日はいらっしゃいますか?」という回答しやすい質問をしましょう。

MR「来週火曜日の午後、もしくは水曜日の午後にいらっしゃいますか?」

医師に必要とされるMRのトーク術

医師との面談の際には、良好な関係を築けるようなトークを心掛けましょう。医師に必要とされるMRのトーク術には、以下のような特徴があります。

価値共創

医師に必要とされるMRは、価値共創型の営業を行っています。価値共創型営業とは、医師と一緒に新しいサービスを営業することをいいます。医師と良好な関係を築いていき、ビジネスにおけるパートナーになれば、競合他社と比較される心配がありません。今後は医師と共に考えられるMRが求められるようになります。

MR「先生と一緒に、新しい疾患や症状に対する有効性や安全性について調べられたら嬉しく思います。」

共感

医師と話す場合は、共感して相手の気持ちにシンクロさせましょう。初回面談の前に準備をしておき、ネタを幾つか仕込んでおくことが重要です。初回面談で緊張してしまうという方は事前に念入りに準備をしておきましょう。

MR「〇〇先生、〇〇大学のご出身とホームページで拝見しましたが、実は私も〇〇大学の出身なんです。」

MR「〇〇先生の仰りたいこと、すごく分かります。」

傾聴

商談で相手のニーズが聞き取れないと不発に終わります。そのため、商談中は傾聴に徹しましょう。相手に話してもらう有効策として例えばオウム返しがあります。医師の話をオウム返しすることで「このMRは話を理解してくれている」と思ってもらえます。ただし、意図を汲み取った上でオウム返しをしましょう。

医師「今日の外来は多かったなー」

MR「そうですよね・・・。先生も患者さんをお待たせするのは辛そうですね・・・」

医師「うーん、そうなんだよ。もっと早く診てあげたいのになー」

洞察

「先生のインサイトを伺う」はMSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)の方が良く使用されますが、実際に行えているMRは少ないです。洞察で大切なことは、先生の表面的なニーズに飛びつかないことです。医師の話を深掘りするような聞き方をしましょう。

医師「〇〇疾患用の御社の〇〇って効能追加あったよね?」

MR「はい、そうなんですけれども・・・。しかし、今回はなぜ興味をお持ち頂けましたか?」

補足:人が思わず承諾してしまう要素

商談の場で活用したいトーク術をご紹介しましたが、相手が思わず承諾してしまう商談には以下の要素が含まれています。

  • 返報性:何かをもらうとお返ししたくなる
  • 一貫性:自分の発言を簡単に変えたくない
  • 社会的証明:世の中の当たり前は正しい
  • 好意:自分に好意を持っている人からの頼み事は断りにくい
  • 権威:権威を示されると納得する
  • 希少性:「あと一つですよ」と希少性を示されると購入したくなる

 Withコロナ時代にMR求められる資質

これまで、アポ取得や商談のトーク術をご紹介しましたが、Withコロナ時代に求められるMRの資質を把握しておきましょう。ここでは、Withコロナ時代に求められるMRの資質をご紹介します。

1.Preparation

Preparation とは「事前にお客様のことを徹底的に調べる」ことをいいます。営業には必ずスランプはやってくるものです。そのような場合に、自社の商品に関する勉強をするのではなく、相手のことを徹底的に調べた方が絶対的な効果を発揮します。そのため、時間ができたときには、お客様のことを徹底的に調べるように心がけましょう。

2.Recording

Recordingとは「商談内容を記録に残す」ことをいいます。相手の表情、身体の動き、心の動きを追いかけながらメモを取るとメモはグチャグチャになります。記憶が曖昧になるため、商談が終わったらサマリー(要約)を作成しましょう。また、不測の事態に備えて商談を録音しておくこともおすすめです。

3.Build Trust

Build Trustとは「信頼関係のために行えることをする」ことをいいます。相手に興味・関心を持ち接したり、相手の予想を上回る成果を出したりすることで、信頼関係を構築していくことができます。信頼関係を構築することで大切なことは、自分から相手を信じることです。

4.Empathic Listing

Empathic Listingとは「傾聴」をいいます。商談中は相手に話してもらってください。相手に話してもらう有効策としてオウム返しがあります。オウム返しをする場合は同じ言葉を繰り返すだけでなく、意図を汲み取って話してあげると理解者だと思われるようになります。

5.Evidence

Evidenceとは「数字を加えた言葉を話す」ことをいいます。商談中に数字を入れることで、どの程度の効果があるのかが伝わりやすくなります。数字を使用すると説得力が格段に上がるので積極的に使用していきましょう。

6.Mirroring

Mirroringとは「お客様と同じ言葉を使用する」ことをいいます。相手が使用する専門用語を使用したり、話速を合わせたりすることで、一緒にいて居心地が良い相手だと思われるようになります。

7.Ask for a Referral

Ask for a Referralは「紹介を依頼する」ことをいいます。紹介を依頼することに恥ずかしさを感じる方もいるかもしれません。しかし、紹介を依頼する際に合理性を示せば、恥をかかずに紹介を依頼できます。

MR「〇〇大学の〇〇先生とご同窓とのことですが、紹介して頂けませんか?この患者様の症例は、ぜひ、〇〇科でお困りの先生にも知って頂きたいんです。」

8.Make a Good List

Make a Good Listとは「正確な顧客リストを常に更新すること」をいいます。顧客情報は重複なく、常に最新情報に更新していきましょう。顧客情報が蓄積していくほど1on1コミュニケーション(適切なタイミングで適切なアプローチすること)が行えるようになります。顧客リストは大切な営業ツールです。そのため、質の良いリストを作成しましょう。

9.Again&Again

Again&Againとは「繰り返しアプローチすること」をいいます。紹介面談でニーズを聞き出せなくても、接触回数を増やすことでザイアンス効果が得られます。接触する回数が増えることで、好意・関心はアップしていくため、断られても繰り返しアプローチしていきましょう。

10.Learn More

Learn Moreとは「自己投資」をいいます。MRに役立つ知識を勉強していけば、仕事に活かせて、お客様に還元することができます。自己投資は最大の顧客サービスであることを自覚して、さまざまなことを積極的に学んでいきましょう。

11.Presence

Presenceとは「自分自身の身なりを整えること」をいいます。営業の場面では印象を良くすることが大切です。自分の身なりを整えると相手との関係も良好に築きやすくなります。そのため、内面だけでなく外見も磨くようにしましょう。

 (参考資料:柏恵子「突破せよ-新時代を生き抜くMRの掟」

まとめ

今回は、Withコロナ時代に求められるMRのトーク術をご紹介しました。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、営業手法が変わりつつあります。また、医薬情報は医師自身が自発的に取得できるようになりました。そのため、これからのMRに求められるのは営業活動の「量」ではなく「質」です。

医薬に関する勉強をして深い話ができることも大切ですが、お客様に関する調査を実施して、共感・傾聴・洞察を大切に商談することで、困った時に相談したいパートナーになれます。ぜひ、これを機会に営業方法を見直してみてください。

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