人材業界の法人営業で契約を獲得するトーク術!ポイントまで徹底解説

新型コロナウイルスの影響により訪問営業が行うことが難しくなりました。そのため、人材業界の法人営業は、PUSH型の営業手法がこれまでと同じように有効ではなくなってきました。人材業界の営業担当者はどのような営業を行えば良いのでしょうか?この記事では、契約を獲得するための営業手法とトーク術をご紹介します。ぜひ、営業手法を見直したい方は参考にしてください。

人材業界の営業とは

人材業界の営業は、法人営業と個人営業(キャリアアドバイザー、人材コーディネーター、キャリアコンサルタント等)に分類できますが、本記事では法人営業に焦点を当てて解説したいと思います。

法人営業

企業の経営者や人事部門の責任者と商談して、企業の採用ニーズを把握する役割を担います。求人票をベースにして、企業が求めている人材を紹介することを目指します。求人サービスを利用してくれる企業を新規開拓することが主な役割です。

[仕事内容]

  • サービス利用企業の新規開拓
  • 経営者や人事部門の責任者と商談
  • 企業の採用ニーズのヒアリング
  • 採用方法の提案
  • 求人票の作成
  • 求職者とマッチングの実現

補足:法人営業はPUSH型が採用されている

法人営業の手法はPUSH型(積極的にアプローチする方法)とPULL型(お問い合わせしてきた見込み顧客にアプローチする方法)の2つがあります。

PUSH型 企業が何らかの方法で顧客に自社の商品やサービスをアプローチする営業手法
PULL型 企業から顧客に働きかけることなく、相談やお問い合わせを受けた時点で営業開始する手法

PUSH型の営業手法は古いと思われていることが多いですが、人材業界の法人営業では通用します。その理由は、積極的な態度を示すことで「自社の採用に協力的になってくれる担当者だ」と経営陣や採用担当者が感じてくれるためです。しかし、新型コロナの影響により飛び込み営業もテレアポも有効な手段ではなくなりつつあるため、新しい手法が求められてきています。

参考資料:人材紹介マガジン「【人材紹介業向け】営業リストをもとにした営業トークのコツ!トークスクリプトまとめ」

人材業界の法人営業を成功させる5つのコツ

人材業界の法人営業で契約を獲得するためのコツについて紹介したいと思います。以下5つのコツを抑えておきましょう。

1.精度の高い営業リストを作成する

求人サービス利用企業の新規顧客を開拓するためには、精度の高い営業リストを作成する必要があります。

求人サイトを使用している企業は、採用ニーズがあるため営業リストに入れましょう。また、採用支援の成功事例を豊富に持つ業界の企業に絞り込んで、営業リストを作成するのも1つの方法です。事業規模や決裁者(役員や人事部門の責任者)などの項目から重要度・優先度を決めて営業していきましょう。

営業リストを作成する場合は「最新情報が掲載されているか?」「企業情報が重複していないか?」を確認しておきましょう。リストの精査を行わなければ、重複営業を行ってしまう事態を招く恐れがあるため注意しましょう。

2.オンラインで商談のハードルを下げる

Web会議ツールの登場でオンライン商談が行えるようになりました。従来の人材業界はPUSH型の営業の中でもテレアポや訪問営業が主流でした。このような営業手法だと、見込み顧客側も「訪問に来られて売り込まれるのではないか?」という心理が働きます。しかし、オンライン商談であれば直接会うわけではないため、このような心理負担が軽くなります。心理的ハードルが下がるため、結果としてアポイントが取りやすくなるのです。

3.トークスクリプトを作成する

法人営業で契約を獲得していくためには、再現性の高いトークスクリプトの準備をしておく必要があります。とくにPUSH型の営業手法のテレアポでは導入部分の掴みが大切です。「どのような企業なのか?」「サービスを使うとどのようなメリットがあるのか?」「伝えたいことは何か?」を端的に伝えなければいけません。トークスクリプトを作っておけば、新人に対する早期教育を図ることができるようにもなります。

4.提案力を上げる

人材業界の法人営業で契約が獲得できる担当者はコンサルティング能力が高いです。顧客が属する業界の成功事例や手法を提示したり、企業の魅力を求職者に伝える具体的な方法を提案できることが重要です。そのため、トーク術だけではなく採用の提案力を磨くことが大切です。

5.改善する仕組みを構築する

近年、デジタルツールの普及により営業担当者のトークが可視化できるようになりました。成果を出している担当者と成果が出せずに悩む担当者の違いを比較すれば違いが分かるようになります。また、営業手法の問題点の仮説立てができて、改善を行うことができます。組織的に営業手法を常に改善できる仕組みを構築することは、成果をあげるうえで重要です。

参考資料:人材紹介マガジン「【人材紹介業向け】営業リストをもとにした営業トークのコツ!トークスクリプトまとめ」

人材業界の法人営業のアポ取りトーク術

人材業界の法人営業のコツをご紹介しましたが、実際にアポ取得するためのトーク術を見ていきましょう。

1.自己紹介をする

まずは、簡単に自己紹介をします。自己紹介をする場合は、テンションが高いなと自分で思うぐらいを心がけましょう。また、語尾を上げて話すことで「明るい人だな」という印象を与えることができます。また、笑顔は必ず声に乗るため、笑顔で話すように心掛けることも重要です。

例:「〇〇を取り扱っている〇〇の××と申しますが、採用担当者の方はいらっしゃいますか?」

2.面談の時間を頂く

次に電話をかけた理由を簡潔に述べて、相手の時間を頂きます。

営業「お忙しいところ、ご対応して頂きありがとうございます。〇〇様が募集しているエンジニアの求人情報を見て連絡をさせていただきました。ちょうど条件に合う候補者がいますので、3分ほどお時間を頂けますか?」

採用「ええ。」

3.採用状況を聞く

採用担当者に現在、採用を実施しているかを聞きます。採用を実施・検討している場合は、どのような採用活動をしているか聞き出しましょう。また、具体的にどのような状況であるかを聞き出せれば、次の営業に繋げられます。

営業「現在の求人情報の反響はいかがでしょうか?」

採用「まだ、良い人材は採用できていませんね。」

営業「そうなんですね。ぜひ、弊社に御社の採用支援をサポートさせて頂けないでしょうか?」

4.メリットを伝える

相手に提案をする場合は具体的なメリットを伝えましょう。相手側が得られるメリットを伝えるときには、AREA話法を活用しましょう。

Assertion(主張)

営業「エンジニア職は倍率が高く人件費が高騰していますが、エンジニア採用成功のノウハウをご共有できたらと考えています。」

Reason:理由

営業「弊社はエンジニア職の採用支援の豊富な実績を持っております。先月は〇〇件の転職を支援してきました。」

Example:具体例

営業「弊社はエンジニアが求めている職場環境の紹介方法など、求人票の書き方による採用支援を得意としています。1つの求人票に10名以上の転職希望者の応募があり、転職支援に成功した事例があります。」

Assertion:再主張

営業「ぜひ、エンジニア職の採用に向けてお手伝いをさせて頂きたいです。」 

5.日程調整をする

日程調整をする場合は、採用担当者が「いる」「いない」で回答できる質問を投げましょう。

営業「ぜひ、エンジニアが簡単に採用できるノウハウを共有したいので〇月〇日〇時にお伺いしたいのですが、〇〇様はいらっしゃいますか?」

採用「はい。いますよ。」

営業「それでは、〇月〇日〇時にお時間をください。」

(参考資料:堀口龍介「契約率76.2%営業即アポ」

まとめ

人材業界における法人営業でより良い成果を得るために、次のポイントを押さえておきましょう。

[営業のポイント]

  • 精度の高い営業リストを作成する
  • トークスクリプトを作成する
  • 採用の提案力を上げる
  • オンラインで商談のハードルを下げる
  • 商談の質を改善する

デジタルツールの登場により、営業のブラックボックス化が解決できるようになりました。結果が出せている営業担当者のノウハウを共有していけば、商談の質を改善していけます。ノウハウを共有してトークスクリプトを作成することをおすすめします。組織全体の営業力が上がれば、アポ率、商談件数や契約件数を伸ばしていけることでしょう。ぜひ、これを機会に営業手法を見直してみてください。