【管理指標】KPI/KGI、先行/遅行指標、OKR…色々な指標があるけど、どうしたら良いの?~「目的」と「目標」から解く~

日々の業務で、KPI/KGI、先行/遅行指標、OKRなど色々な指標が溢れていますが、何を使ったら良いかよく分からなかったり、上手く運用出来なかったりするのが実情です。
そこで、今回は各指標の本質に立ち返り、「目的」と「目標」の違いから各指標が意味する所は何かを理解した上で、しっかり運用できるようになるヒントをお伝えしたいと思います。

先ずは、「目的」と「目標」の違いからご説明したいと思います。

目的=ゴール

まず、目的とは、読んで字の如く「目」で見える「的」のことです。即ち、「目的」は最終的に到達したい「ゴール」のことを指します。

目標=目的(ゴール)までの指標

次に、目標は、こちらも読んで字の如く「目」で見える「指標」のことです。即ち、「目的=ゴール」を達成するのに必要な、「指標=マイルストーン」のことを指します。

ここで、KPI/KGI、先行/遅行指標、OKRを、「目的」と「目標」に当てはめると以下の様になります。

目的(ゴール)=KGI(Key Goal Indicator)、遅行指標、Objective(OKRのO)

目標(マイルストーン) =KPI(Key Performance Indicator)、先行指標、Key Results(OKRのKR)

目的(ゴール)の設定 ➡ 目標(マイルストーン)の設定
各指標を設定する際は、先ずは、目的(ゴール)=KGI、遅行指標、Objectiveを設定して、その達成の為に必要な目標(マイルストーン)=KPI(Key Performance Indicator)、先行指標、Key Resultsを設定するという流れがあるべき姿です。

例えば、売上+20%増をKGIとして設定すると、達成の為のKPIは下図の通り多岐に亘ります。そこで、それぞれのKPI項目の数字(定量データ)を算出して、ボトルネック(どの項目の数字を上げると一番効果が高いか)を探して重要KPIを決めます。
例えば、下図で言うとアポイント率が異常に低い場合は、アポイント率向上を最重要KPIとして設定します。同様に、2~3項目を重要KPIとして決めます。重要KPIが決まったら、そのKPI項目の責任を負っている担当部署と協議の上、KPI達成期間を設定します。

例えば、下図の場合、アポイント率はインサイドセールス※が責任を負っているので、インサイドセールス責任者と、いつまでに何%上げるのか、その為の施策は具体的に何かを話し合います。
※インサイドセールスの詳しい説明は、「【組織の営業力を上げる】利益を増大させるインサイドセールスのメカニズム」をご覧下さい。

まず、目的(ゴール)を設定し、その目的達成の為に必要な目標(マイルストーン)を「誰が」「いつまでに」「どのように」クリアするのか決めれば良いのです。そうすれば、自ずとKGI/KPI、先行/遅行指標、OKRが設定されます。言葉に踊らされずに、その本質を理解した上で、「指標に追われる」のではなく「ゴール達成に向けて指標を追う」ように意識することを強く意識すれば必ず結果はついてきます。

何故、「目標設定」が重要なの?

仮に、「売上+20%増!」というゴールだけを設定すると、「誰が、何を、いつまでにやるのか」が不明確になり、なかなか前に進めません。また、具体的な目標設定をしないと、往々にして短絡的で本末転倒な結論に至ります。
例えば、「売上+20%増」で言うと、「売上を増やす」=「新規顧客獲得」=「優秀な営業の採用」という感じです。採用するとその分コストも増えますので、利益はなかなか上がらず、何のための売り上げ増なのか見失い、本末転倒になってしまいます。
短絡的で本末転倒な結論を避けるためにも、ゴールを設定したら具体的に「誰が」「何を」「いつまでに」実行するのか、それぞれ分解して具体的な行動に落とし込む必要があります。この、「分解して具体的な行動に落とし込む」ということが「目標設定」なのです。確かに一手間増えますが、目標設定は最短で目的(ゴール)に達成する為に欠かせないプロセスなのです。(急がば回れということですね!)


先を走る数値(先行指標)と後から追いかける数値(遅行指標)から引用

目標があることで、チームワークと改善サイクルが生まれる

各個人が目標を達成することで、組織の目的達成に少しずつ近付ける為、個人の達成欲を上手く活かしながらチームワークを醸成出来ます。また、もし幾つかある目標のうちの1つを成し遂げられなかったとしても、行動が細分化されている為、何がいけなかったのか改善点を把握し易く、次に活かすことができます。個人や組織の行動を振り返って改善サイクルを生む為にも、目標設定は欠かせません。

今回は、「目的」と「目標」の違いから読み解く各指標の本質と、効果的な運用のヒントをお伝え致しました。「目的(=ゴール)」と「目標(=マイルストーン)」の違いをしっかり理解した上で、「目的(=ゴール)」を設定し、そこから行動に分解して「目標(=マイルストーン)」を設定すれば、指標の呼び名は、KGI/KPI、先行/遅行指標、OKR何でも構いません。言葉に踊らされずに、各指標を設定する「目的」を先ずは理解した上で運用することをお勧め致します。