不動産業界がリモートワークで営業組織力を上げるための7つの方法

新型コロナウイルス感染拡大で、不動産業においてもリモートワークが推奨されています。リモート環境下においては、従来の営業組織のマネジメントは通用しづらくなってきています。一方で営業部門全体で目標を達成することを求められてきています。今回は、不動産業界がリモートワークで営業組織力を上げるための7つの方法をご紹介します。

不動産会社に必要な「営業組織力」とは

営業組織力とは、営業部門全体で目標を達成するために必要となる仕組みをいいます。営業の仕事は商談から契約までを1人で完結させることができるため、業務の属人化が発生してしまいます。1人で営業が完結できれば何も問題ないと思う方もいるかもしれませんが、組織全体で見ると各担当者が持つノウハウを共有し、強みを活かすことができなければ、会社全体の成長には繋がりません。そのため、不動産会社で売上を伸ばすためには、営業組織力を強化する必要があります。

参考資料:LIFULLHOME’S「強い営業組織には営業力強化が不可欠! 結果に導く5つの強化方法を解説」

 

[不動産]リモートワークで営業組織力を高めるコツ

では、実際に営業組織力を強化するためには、具体的に何をすればよいのか?特にコロナ禍で対面営業の機会が減少するなかで、どのような工夫をするべきなのでしょうか?ここでは、営業組織力を高めるコツについてご紹介します。

リモートワークの環境を整備する

最初に、リモートワークの環境を整備してください。リモートワークに移行すると、定例会議や商談はオンライン上で行われます。情報共有のために会議の場を設けても、接続環境やインフラを整えなければ、トラブルが発生してしまい非効率的になってしまいます。

(参考資料:Clnet Japan「不動産会社が明かす「リモートワーク」の実情–3社にメリットや課題を聞いた」)

営業活動のプロセスを可視化をする

営業活動のプロセスを可視化させ、組織全体で情報を共有しましょう。営業は1人で案件獲得から受注までできるため、属人化しやすいです。各担当者の営業プロセスを可視化することで、契約が取れる最適な営業プロセスを導き出すことができます。また、成績が伸び悩んでいる営業担当者に対して、どこが問題になっているのかについてファクトベースで指導できるため、的確なアドバイスができます。人材育成の効果も実感しやすくなるでしょう。

(参考資料:法人営業応援マガジン「【営業プロセス可視化】方法や営業力強化に繋げるポイントを解説」)

ナレッジ共有する

各担当者のスキルアップのために、社内にノウハウを蓄積して、ナレッジとして公開することは非常に大切です。ナレッジ共有方法には、次のような方法があります。

[ナレッジ公開]

  • 業務マニュアルを作成する
  • 営業プロセスを可視化しておく
  • 研修やセミナーの動画を保管して社内公開する
  • 従業員の知識を共有し合う定例会議を開催する 

参考資料:不動産テックのTATSUJIN「不動産業界でのナレッジ・マネジメント成功事例を共有!」

営業に係るプロセスを分業化する

営業組織力を上げるために、営業に係る業務を分ける不動産会社が増えてきています。以下のように分業化するケースが多いです。

  • マーケティング…インターネットを活用して反響を獲得する
  • インサイドセールス…見込み顧客と良好な関係を築き商談化させる
  • 営業…商談化した顧客を契約まで持ち込む

通常の不動産会社は、反響獲得から商談まで1人の担当者が行います。しかし、不動産は高額商材であり成約までには高度なスキルが求められます。上記のように、営業に係るプロセスを分けることで、各部門において専門性を高め、成約率を上げていくことができます。

参考資料:Mikata「【不動産会社向け】インサイドセールスの基本からメリット・作り方まで」

教育制度を整備する

成長し続ける不動産会社はリモートワークでも教育ができる環境を整備しています。新たに組織に加わった従業員を即戦力化するためにプログラムを用意しておけば、教育コストを最小限に抑えられます。

(参考資料:中央日本土地建物グループ「中央日本土地建物グループの人材育成」)

自己学習の場を提供する

従業員の成長を促すために、自己学習の場を提供しましょう。例えば、不動産関連の資格(宅地建物取引士、再開発プランナー、不動産鑑定士、一級建築士など)を取得するための支援をしたり、オンライン上で講座を開講したりしてみてください。

また、近頃はデジタルツールで、営業プロセスの可視化が行えるようになりました。自分の営業手法は優れているのか、「話速」「Talke:Listen率」「抑揚」「被り率」などから確認できるデジタルツールも登場しています。このようなデジタルツールで、営業力を磨く場を提供することも可能です。

 参考資料:MiiTel「機能早見表」

定期的に交流の場を設ける

リモートワークは、コミュニケーションの機会が減り孤独を感じやすくなります。そのため、コミュニケーションの場を積極的に作りましょう。

  • オンラインランチ:ランチの時間を使用して仲間とコミュニケーションをとる
  • サンクスメッセージ:感謝の気持ちを積極的に伝える
  • 社内イベント:メンバーの団結力を高めるために定期的にイベントを実施する 

参考資料:IMPREX AND COMPANY「【営業組織のあるべき姿とは?】改革に必要な5つの取り組み」

 

[不動産]リモートワークで営業組織力を上げた成功事例

リモートワークに移行しても、営業組織力を上げる必要性は理解して頂けたと思います。実際に、不動産会社はどのような取り組みを実施しているのでしょうか?次に、リモートワークで営業組織力を上げた成功事例をご紹介します。

インフラ構築で質の高いサービスを提供

ハウスコム株式会社は、オンライン商談やIT重説など早期に取り組んでいました。その中で、オンラインで話す際には、画質と音質が重要だということが分かり「LIFULL HOME’S LIVE」を導入しました。

また、同時にネットワークインフラの構築にも注力しており、画質や音質にこだわることで、オンライン営業もストレスなく行えるようになりました。同社の顧客は4割近くがオンラインと業績好調な基盤を作っています。 

(参考資料:LIFULLHOMES’S PRESS「不動産業界でいち早くオンライン業務に着手。ハウスコムに聞いた、今後の不動産業界のリモート化とは」)

他部門連携で契約数が2倍にアップ

悠々ホーム株式会社は、成約率を上げるために営業プロセスの分業化に取り組みました。営業プロセスの分業化は「マーケティング部門」「インサイドセールス部門」「営業部門」の他部門連携が欠かせません。

顧客情報や対応履歴の報告漏れがないように、デジタルツールを活用して他部門連携を強化しました。また、各部門の営業強化を図ることで、営業プロセスの分業化前後で、契約数を2倍に上げることに成功しました。

(参考資料:MiiTel導入事例「ヒアリングで顧客の課題を明確化。情報を正確に共有して成約までのリードタイムが50%以下に。」)

ナレッジ共有により生産性250%アップ

株式会社クラスコは、営業組織力を上げるためにナレッジ共有を行いました。各担当者が保有しているノウハウを社内に蓄積して、会社の資産として公開しています。公開された情報は、従業員であれば閲覧できるようになっています。また、ナレッジと一緒にラーニングシステムを導入し、従業員が自発的に学習できる場を構築しました。このようなナレッジを共有することにより、生産性を250%上げることに成功しました。

参考資料:不動産テックのTATSUJIN「不動産業界でのナレッジ・マネジメント成功事例を共有!」

 不動産事業と建築事業の交流の場を作る

「不動産」「建築」「まちづくり」「空き家再生」など幅広い事業を展開している株式会社エンジョイワークスでは、社内シャッフルランチを実施しています。1週間単位で、部署×部署を決めていき、意図的に雑談や社員の交流の場を作っています。このような場をつくり、お互いを知ることで心理的安全性を高め、相談しやすい環境をつくっているのです。

チームで仕事を進める上では、信頼関係は欠かせません。同社は、さまざまな社員交流の場を設けて、リモートワークに移行しても団結力のある組織づくりに成功しています。

参考資料:エンジョイワークス「社内シャッフルランチ」

まとめ

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、リモートワークが推奨されました。不動産会社でもリモートワークに切り替えているところが増えています。このような環境の変化でも売上を拡大していくためには、営業組織力の向上が欠かせません。そのため、下記のような営業組織力を上げる取り組みを行いましょう。

「営業組織力を上げる取り組み」

  • リモートワークの環境を整備する
  • 営業活動の可視化をする
  • ナレッジの共有をする
  • 業務プロセスを分業化する
  • 教育制度を整備する
  • 自己学習の場を提供する
  • 定期的に交流の場を設ける 

上記に取り組み、組織力を上げていけば、商談件数や売上を伸ばしていけます。そのため、ぜひ、これを機会に営業組織力を上げる取り組みを始めてみてください。