新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックをきっかけに、リモートワークを実施した企業が一気に増えました。しかし、その一方でリモート環境下の営業研修の実施方法に悩んでいる企業が多くみられます。本記事では、独自の発想や工夫を凝らすことで、リモート環境下においても、効果的な人材育成に取り組む企業の事例を紹介します。
目次
リモート環境下のユニークな営業研修事例
セールスフォース・ドットコム社の事例
クラウド型ビジネスアプリケーションを提供しているセールスフォース・ドットコムは、早い段階からセールスイネーブルメントのオンライン化を進めていました。
具体的には、トレーニングや事例コンテンツなどの動画コンテンツのプラットフォームを用意することで自主学習ができる環境を整えていました。
さらに、Trailheadという学習環境プラットフォームを自社のオンライントレーニングも活用しており、リモート環境でもしっかり学習できる体制を整えてます。
再生時間が長い動画は飽きやすく、聞き流しているだけの状態になりやすいので、1つの動画の時間は10分程度と短めに工夫がなされています。
また、良い提案ができた社員が、デモ動画を次々とアップし、皆で視聴することで、ノウハウをシェアする仕組みができています。
ここで課題となるのは、参加者が動画をしっかり見ているかどうかですが、マーケティングオートメーションツールで誰が視聴しているかを把握できる仕組みになっています。
(参考:https://logmi.jp/business/articles/322800)
DMM社の事例
DMMでは2020年3月上旬からリモートワークが推奨され、社員の殆どがリモート環境で仕事をすることになりました。営業部門においても、リモートワーク商談化によりオンラインで完結できるようになりました。
配属したての新卒社員に向けて「チーム対抗営業マッチ」という営業研修を実施。営業に必要な「負けず嫌い精神」を身に付けてもらうために行われた取り組みです。
新卒社員と先輩社員でチームをいくつかに分け、実際の営業のアタック数・アポ数・成約数で点数を決め、競い合うという内容になっています。
実践という形で営業研修を行ったことで、営業スキルがどんどん伸びていき、後半戦ではどのチームも点数が伸びるという良い結果を残しています。
(参考:https://inside.dmm.com/entry/2020/07/28/dmmremotework_sales)
リモート研修をする上で大切なポイント
リモート研修の成功事例を見てみると、動画の活用や短い時間で集中的に受けられる研修内容、またゲーム感覚でみんなが積極的に参加できる仕組みがうまく設計されています。
集団研修と比べて集中力のキープが課題となるため、前掲2社の事例のようなアイデアを取り入れていくと良いでしょう。
しかし、ユニークな研修を実施すること自体が目的ではないので、ポイントを押さえたリモート研修内容を設計することが大切です。
さらに、リモート環境で営業研修を行う場合、次のポイントを意識することが大切です。
参加者の集中力を維持させる工夫をする
多くのリモート研修において、参加者はパソコンを開いたままの状態で、一方的に講師の話を聴くスタイルになります。そのため、参加者は、他の作業ができてしまうことや、通信環境が悪くなると集中できなくなります。よって、主催側は研修において、参加者の集中力を持続させる工夫をいれなければなりません。
例えば、受講時間を通常の研修と比べ短縮、事前に資料やテキストなどを渡しておく、意見交換やディスカッション時間を研修の合間に何度か設ける、中間でアンケートをとる、理解できた人にはスタンプを送ってもらう等一方的な研修にならないように気をつける必要があります。
ファシリテーター以外に連絡がとれる人を用意しておく
また、リモート 研修では中立な立場で話を進めていくファシリテーターがいるケースが多いですが、ファシリテーター1人だけでは音声やチャットなどで質問を受けたとしても、全ての回答や返信をすることは難しいでしょう。
そこで、研修中でも連絡やチャットの確認ができる人を別に用意しておくと、スムーズに研修を進めることができます。
ぜひ、本記事を参考にしていただきリモート環境下で効果的な企業研修を進めてみてください。
(参考:https://blog.hear.co.jp/n/n20abe34bddbd?gs=8371ddd703e6)