まず知っておきたい、リモート営業のやり方~基礎編~

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を受けて、リモート営業の導入が本格的に求められています。クラウド営業支援ツールを提供する株式会社マツリカが実施した「リモートワーク導入企業に関する調査結果」によると、88.4%の企業が営業活動についてリモート化していると回答しています。しかし、リモート営業化した結果、アポイントが取れないなど悩んでいる企業が多いようです。本稿では、リモート営業の課題と解決方法について紹介します。

(参考:週間BCN+「大塚商会、テレワークソリューションを延べ7万人・5000社に提供」)

 

リモート営業で課題になることとは?

前掲「リモートワーク導入企業に関する調査結果」によると、営業活動のリモートワーク化での課題として「オンラインでの商談や社内会議での意思疎通」「案件情報や営業活動の共有・可視化」「案件を進める上で必要な他部署との連携」などが挙げられます。

これらの課題が深刻化すると、どのような損失が出るのでしょうか?ここでは、リモート営業の課題点について詳しく解説します。

【課題1】オンラインでの商談や社内会議での意思疎通の難しさ

オンラインでの商談や社内会議の問題点として「空気が読めない」「集中できない」「腹落ち感が薄い」などが挙げられます。日本ファシリテーション協会フェローの堀 公俊氏は、オンラインでの会話について、対面での会話と比べ、言葉以外のメッセージが乏しいことや、互いの気持ちが通じ合わずに集中力が下がってしまうことを指摘しています。

オンライン商談や会議でも相手の表情は読み取れますが、「意識して読む」ために疲れてしまうようです。そもそも、日本人の話し合いは非言語メッセージに頼っており、リモート営業で苦戦する企業は多いのではないかという見解も述べています。

(参考:堀 公俊「オンライン会議の教科書」)

 

【課題2】営業活動や案件情報の共有・可視化

営業活動がリモート化すると、営業活動や案件情報の共有、可視化がしづらくなります。管理者は、各担当者が在席中か、離席中かの状況を把握できません。また、営業活動や案件情報が不透明になると、誰が、どんな顧客の、どんな案件を、どこまで進めているのかが不透明になり、適切なタイミングで指示やアドバイスができないなどの問題が発生します。

(参考:日経BP総合研究所イノベーションICTラボ「アフターコロナ時代の働き方 テレワーク大全」)

【課題3】案件を進める上で必要な他部署との連携

新型コロナウイルス(COVID-19)や震災などの緊急事態時には、働き方が大きく変わります。新型コロナウイルスでは3密を避けるべく、企業でリモート営業が導入され始めました。中小企業BCP策定運用例を見て分かるように、従業員をオフィスに集めることが難しくなり、他部署との連携が行いづらくなります。また、協力会社との連携も難しくなり、営業の妨げになることが分かります。

(参考:中小企業庁「中小企業BCP策定運用例-緊急自体を生き抜くために-」)

また、BUSINESS LAWYERSによる「法務担当者のリモートワークに関するアンケート」では、「チャットツールやウェブ会議システム等を利用したコミュニケーション面」について、3人に1人が何らかのストレスを感じていると回答しています。

「業務効率が上がる半面、営業担当者とのコミュニケーションが難しくなるケースが散見される」(課長クラス)「実務にあたり、すべてモニター画面越しに書類を読むのがきつい。チャットとメールとで忙しさが増した感じがする」(部長クラス)などの問題も挙げられてます。

(参考:BUSINESS LAWYERS https://www.businesslawyers.jp/articles/784)

リモート営業の課題の解決方法とは?

意思疎通や情報共有、チームの連携が行えずに悩む企業が多いですが、解決方法があります。実際に、どのような対策方法を取れば良いのでしょうか?ここでは、リモート営業の課題の解決方法を紹介します。

オンライン会議で必要なノウハウを身に着ける

従来の会議の場においては、場の空気を読んで、それに見合った振る舞いをすることが望ましいものとされてきました。しかし、オンライン会議では察し合いが通用せず、自ら積極的に意見を言わないと意見がないと思われてしまう可能性があります。そのため、オンライン会議で成果を生むノウハウを身に着ける必要があります。詳細については「Web会議/商談を円滑に進める5つの秘訣」をご確認ください。

セールスイネーブルメントに取り組む

セールスイネーブルメント(Sales Enablement)は、営業組織を強化・改善するための取り組みです。営業研修・営業支援ツールを導入して、営業プロセスの管理や分析をすることで改善施策が立てられます。また、目標達成を数値化できるので、営業活動の最適化として注目を集めています。

 

営業支援ツールを活用する

営業支援ツール(Sales Force Automation)とは、顧客情報や案件情報などの膨大なデータを一元管理できるソリューションです。チームで営業支援ツールを運用することで、属人化しがちな営業活動を改善することができます。

営業支援ツールは、さまざまなタイプがリリースされていますが、大手企業ではリモート営業を効率化するために独自ツールが開発されてます。

例えば、三井住友海上火災保険は、アフターコロナを見据えてリモート営業を効率化するツールを開発、代理店1,300店舗に導入しました。保険業界初となる「PIRセールステック」の機能が加えられており、AIを活用した営業提案ができるものとして大きな注目を集めています。

参考:日刊工業新聞「新型コロナ/三井住友海上、代理店リモート営業支援 1300店舗にITツール導入」

 

プロジェクト管理ツールを活用する

プロジェクト管理ツールとは、コストやスケジュールなどのプロジェクトに係るリソースを管理するソリューションです。プロジェクト管理ツールでは、Microsoftが提供するMicrosoft Teamsが注目を集めています。

Microsoft Teamsは、チャットを主体としたコミュニケーションツールで、チーム間でのチャット・音声通話・ビデオ会議・ファイルを共有できます。また、Microsoft Teamsは、Microsoft Plannerと連携することが可能です。

Microsoft Plannerはタスク管理アプリのため、各従業員の進捗状況の把握に適しています。そのため、チーム全体の進捗把握がスムーズに行えるほか、ビジネスチャットによる即時性の高いコミュニケーションを実現可能にします。

参考:ITmediaビジネスオンライン「在宅勤務で浮き彫りになる課題 理想のテレワーク環境を構築するには?」

 

積極的にマニュアルを作る

チーム連携をスムーズに行うためには「承認者は誰が適任なのか」「複数認められている営業手法は併用して良いか」「協力会社とはどのように連携を取るか」など解釈上の揺れを解決する必要が出てきます。営業する上で必要な連携に頭を悩ませていた塩野義製薬では、どのタイミングでどのような作業や書類が必要になるのかを簡単に見て分かるマニュアル作りに注力しました。

リモート営業本稼働から2ヵ月間ほどは、一部の作業でミスが発生しましたが、次第に収束していき、リモート営業の体制強化に成功しました。

参考:日経BP総合研究所イノベーションICTラボ「アフターコロナ時代の働き方 テレワーク大全」

まとめ

リモート営業を行う上での課題解決方法についておさらいをしておきましょう。

 [リモート営業に関する課題の解決方法]

  1. オンライン会議で必要なノウハウを身に着ける
  2. セールスイネーブルメントに取り組む
  3. 営業支援ツールを活用する
  4. プロジェクト管理ツールを活用する
  5. 積極的にマニュアルを作る

上記の対策方法を取ることで、リモート営業が捗っていくはずです。さらに、リモート営業に成功している企業などの事例や最新情報をチェックすることで、新しい営業手法が確立できてビジネスチャンスを掴み取ることができるかもしれません。ぜひ、リモートワークに関する情報収集をしてみてください。


なお、インサイドセールスの導入に関して検討されている場合は、
限定E-book「インサイドセールスの検討~導入~効果的な運用」(無料)のダウンロードをおすすめします。こちらから。