営業組織責任者として大失敗した3つのコト.vol1

Sales Hackerをご覧になっている皆さん、こんにちは。
株式会社ベーシックferret One部にて、パートナーアライアンス推進室室長を務める持田雄一と申します。

おそらくこの記事をご覧頂いている皆さんは、


  • リーダーに抜擢されたばかりで不安がある
  • 営業組織運営に何らかの悩みがある
  • 目標未達要因が分からずリーダーの資質が問われている

などなど、何かしらの悩みを抱えている方が多いのではないでしょうか。

また、その悩みは何かしらの失敗に起因するものが多いのではないでしょうか。

しかし、成功する過程で失敗はつきもので、
失敗からしか学べないことも多いと思っています。
失敗なしでの成功はありえないといっても過言ではありません。

成功した内容は探せば世の中に溢れていますが、
失敗した内容というのは意外と見つけられません。

そんな方々のために今回は、SaaSのビジネスモデルにて約2年、新規事業部の営業責任者を務めてきた私が、数ある失敗の中でも組織運営の方向性ややり方を大きく変えることに繋がった失敗をお伝えいたします。

私の失敗の共有が、迷える営業責任者の方に少しでもお役に立てれば幸いです。

プロフィール


持田雄一
株式会社ベーシック ferret One部
パートナーアライアンス推進室 室長

2008年GMOグループ新卒入社後、すぐに株式会社リクルートに出向し「リクナビNEXT」の販売に携わる。同期約100人中、年間受注グロス1位を獲得。

2009年にGMOアドパートナーズへ転籍し、SEO対策の販売に従事。転籍後初回のキックオフにて全社MVPを受賞。営業部300名中常時1位〜5位を獲得。翌年チームリーダーに就任し、部署初となるチーム全員の目標達成へと導く。

株式会社ベーシックに転職後、2016年に新規事業「ferret One」部の営業組織の立ち上げメンバーに抜擢、その後責任者を務める。2018年から同事業部のパートナーアライアンス推進室の立ち上げを行い、現職。


悩みの種が絶えない営業マネージャーは多いと思います。

  • 売上が思うように上がらない
  • 新人の育成がうまくいかない
  • メンバーが動いてくれない

他にも数え切れないほどの悩みに直面するのが、責任者の辛いところですね。
私もそうでしたし、今でも悩みは尽きません。

ただ、悩み(=問題)の質を上げることが責任者の務めだと思っています。


問題のない組織はない


これは、私が新卒で入社したGMOインターネットグループでリーダー以上が守ることを義務付けられている目標達成10ヶ条の一節です。

ベーシック入社後も、意識をし続けていることのひとつです。

問題のない組織はないが、いつまでも同じ問題に直面しているわけにはいきません。問題があることが問題なのではなく、問題の質が上がっていないことが問題だ、と常に意識しています。

問題を解決し、また新たな問題が出てくる、またそれを解決し、新たな問題に立ち向かう。
極論、責任者の仕事はこれに尽きるのではないかと思っています。

言語化できない責任者

自分ができることを言語化することができない。
これが、まず初めにぶつかった壁でした。
今まで個人成績を順調に伸ばし、初めてチームリーダーを経験する人の多くが、ぶつかる壁だと思います。

自分ならこんな簡単にできるのにとよく思っていましたし、なぜメンバーができないのかも理解に苦しんでいました。

後から気づいたのですが、もともと少しセンスのある人は勝手にできてしまいますが、そうではない人の方が多く、且つ感覚で成績を伸ばしてきているのでうまく伝えられないんですね。

「普通◯◯でしょ」や、「そうやって言われたら◯◯に決まってるでしょ」など、自分の感覚を押し付けるリーダーは多いです。(自分では教えているつもり)

かくいう私もそうでした。

自分の感覚を言葉で伝える努力もせずに、理解してもらおうとしていました。

長嶋監督の「ビューッと来たら、バシンと打て」という教え方に近いですね。
(これはオノマトペという方法で使い方によっては効果があるという説もあるようです。)

さらには、アドバイスしている内容も日によって異なる、というのもよくありました。

アドバイスした内容を翌日その通りに行動したメンバーに、また別のアドバイスを伝える。
これでは、メンバーが何を基準にして商談をすればいいのかが全くわかりません。

リーダーにもメンバーにもブレない基準が必要だったのです。

組織立ち上げ当時、新卒や異業種からの転職組が多く、私の常識も通じなければ
そもそも何ができればいいのかが分からない状態だったのです。

商談からの受注率は驚異的な低さで、わずか2%でした。

自分の棚卸し

そこで私が取り組んだのは、自分の棚卸しでした。

なぜ自分はできたのかを徹底的に思考し、それをするためにどんな知識やスキルが必要なのかを一つずつ洗い出していきました。
洗い出し方は、マインドマップという思考整理法をよく使っていました。

※下記は当時のマインドマップ

このようなマインドマップをいくつも作り、思考を整理していきました。

そこで教育の基準値として行き着いたのが、レベルチェックシートというものです。

レベル1〜5まであり、各レベルで必要な知識やスキルを習得したと認められると、レベルアップしていくというものです。

また各レベルには状態ゴールと呼んでいる「状態」があり、その状態になるためのスキルや知識が列挙されています。

※実際使用していたレベルチェックシートから一部抜粋

施策を運用フローに乗せる

作成したレベルチェックシートを元に、ロープレや実践を行い、数回連続でチェックが埋まったら合格という縛りを設け、ゲーミフィケーションの要素も取り入れました。

新たな施策を行っても、継続できずおざなりになってしまうことは多々あります。
そのため、せっかく作ったレベルチェックシートを運用に乗せ、
メンバー自らが取り組みやすい環境やルールを作る必要がありました。

これが大当たりで、レベル5まで到達しているメンバーほど、
成績が上がるようになりました。

自分の感覚的なアドバイスがいかにいい加減で、メンバーを迷わせてしまっていたのかを痛感した出来事でした。

メンバーの力を最大限引き出し、育成し成長の機会を与えることが責任者の務めです。

商談からの受注率も2%→20%にまで引き上げることができました。


成長=できることを増やすこと


と定義するならば、今回のケースはまさに
私もメンバーも「成長」できた好事例でした。

教えるのが苦手、自分がやったほうが早い、そう考えるリーダーは多いです。
しかし、メンバーを成長させることがひいては組織を成長させることに繋がり、組織の目標達成が自分の評価に直結するのがリーダーです。

リーダーとしての責務を果たす、更には自分の評価を上げるためにも、
まずは自分自身の営業手法や考え方、マインドなどを徹底的に棚卸しをし
身につけなければいけないスキルや考え方を具体化することをおすすめします。

また、上司が成長しない組織は不幸です。
上司もメンバーと一緒に成長できる環境をいかに作るかをモットーにしています。

vol.2に続く。

 

■ferret Oneとは  https://ferret-one.com/
「ferret One」は、ウェブサイト製作のCMSやアクセス解析、メール配信、フォーム作成など、ウェブサイト運用に必要な機能をだれでもかんたんに利用することができるオールインワンマーケティングツールです。また、ページ制作代行や運用代行などのオプションサービスもご用意しているので、すぐに専任を就けたり体制を整えることが難しい企業様にも導入していただけます。2016年にサービス開始以降、東証一部上場企業や中小企業など幅広い業界・業種を中心に導入が加速しており、利用社数は前年比200%で成長中。「Marketo」や「Salesforce Pardot」とも2018年より連携開始。

【株式会社ベーシックについて】https://basicinc.jp/
「社会のあらゆる問題を解決する」をミッションに掲げ、Webマーケティング分野とメディア分野でインターネット事業を展開するテクロジーカンパニーです。中小企業が直面するWebマーケティングに関する知識やリソース不足の問題を解決するため、オールインワンマーケティングツール「ferret One」やWebマーケティングメディア「ferret」、ウェブページ作成サービス「One Page」や、事業会社と生活者のより良いマッチングの機会を提供する「フランチャイズ比較ネット」「留学くらべ~る」等のメディア事業を展開。
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