Salesforce社のインサイドセールスマネジメント方法を紐解く

Salesforce社のインサイドセールス部門を統括する鈴木淳一氏は、インサイドセールスマネージャーには3つの役割があると述べています。(※茂野明彦著書「インサイドセールス」より)

 [インサイドセールスマネージャーの役割]

  1. 商談数や売上貢献を中心とした目標数値の達成
  2. 分業スタイルとなるインサイドセールスを連携する役目
  3. インサイドセールスで結果を出すための人材育成

これらの役割を果たすには、どのようなインサイドセールスマネジメントを行えば良いのでしょうか?この記事では、インサイドセールスマネジメント方法について紐解いていきます。

インサイドセールスマネジメントの目標管理術

組織全体で目標とする商談数や売上を達成するためには、目標管理が欠かせません。インサイドセールスで成果を出すためには、どのような目標管理を行うべきなのでしょうか?ここでは、インサイドセールスマネジメントの目標管理術をご紹介します。

インサイドセールスプロセスを定義する

インサイドセールスは各部門が連携して行うため、入口と出口が複雑になります。そのため、リード発生から成約に至るまでのプロセスを丁寧に分解して定義化しましょう。インサイドセールスプロセスの定義を明確にすることで、メンバー全員が共通の見解を持ちつつ営業に臨めるようになります。

また、客観的で正当な人事評価を行うためにも、インサイドセールスプロセスを定義することが大切です。

デジタルツールを導入・連携してデータ管理する

組織の目標管理は数値化されたデータで管理することが大切です。そのため、以下のデジタルツールの導入をお勧めします。業務効率化・生産性向上のためにデジタルツールは連携をして使用しましょう。

CRM(顧客管理システム) 複数のチャネルから顧客情報を収集して保存して、営業活動の状況を可視化するシステム。CRMを導入することで、営業パイプラインを常に把握できる。
SFA(営業支援システム) 営業業務を効率化するためのシステム。営業状況を分析してボトルネックを発見することができる。
MA(マーケティングオートメーション) 収益向上を目的としてマーケティング活動を自動化するツール。見込み顧客1人ひとりの興味関心に合わせたコミュニケーションが可能となり、良好な関係を築くことができる。
BI(データ加工)ツール 膨大なデータから必要な情報を引き出して分析するツール。主に経営戦略を練る際に活用する。
電子契約システム 非対面営業上で契約を交わすためのシステム。
オンライン商談システム オンライン商談を実現するためのシステム。プレゼンテーションの提示や自動録画など機能性で選ぶことが重要。

(参照:Demodesk「Best Inside Sales Management Tools for B2B SaaS」

営業活動をPDCAサイクルで回していく

インサイドセールスでは、下記の方法でPDCAサイクルを回していきます。

(1)Plan

顧客情報や活動履歴によるターゲティングを行い、効果的な施策を立案します。ターゲットに対して、どのようなアプローチを行えば、興味関心を喚起して受注角度を高められるかを検討。また、チーム全体の目標を明確にするためにKPI設定を行います。 

(2)Do

インサイドセールスが営業活動を行います。準備しておいたシナリオでヒアリングを実施して、顧客別の状況確認や課題を特定して、自社の商材やサービスに興味を持ってもらえるように働きかけます。 

(3)Check

1日の架電数や商談化率などの定量的な進捗確認も重要ですが、商談化の阻害要因を特定したり施策が想定通りに進んでいるかを確認したりなど定性的な効果検証も行います。 

(4)Action

Checkのステップで抽出された阻害要因に対して改善策の立案を行う。より成果が望めるように働きかけます。

インサイドセールスマネジメントの部門連携術

営業を分業化するインサイドセールスでは、部門連携が欠かせません。インサイドセールスマネージャーとして、どのような部門連携を率先して行えば良いのでしょうか?ここでは、インサイドセールスマネジメントの部門連携術をご紹介します。

チームのビジョンを作り、共有する

部門連携をスムーズにするためには、組織全体のビジョンを語ることが大切です。掲げたビジョンとチーム全体の戦略を紐づけることができれば、チームが誤った方向に進むことはありません。

寧ろ、ビジョンを共有することで、各メンバーが何を行えば良いかを明確にすることができて、各自のパフォーマンスがブラッシュアップされていきます。

KPIの策定・進捗を可視化する

インサイドセールス部門では「商談数の進捗」「商談化率」「商談の条件の見直し」「予算調整」などをミーティングで話し合い、目標売上を達成していきます。そのため、商談データの整理が欠かせません。KPIを策定してチームで共有して、数字で追いかけていきます。

KPIを策定することで、目標と現在地の差が分かるようになり、どのように目標達成していけば良いかが分かるようになるのです。ビジョンと似ていますが筋道を立てることで、各自の業務内容を明確にすることができます。

有効な施策を話し合う

インサイドセールスマネージャーは、各部門とのコミュニケーションを積極的に取りましょう。多くのリードを獲得できているように見えても、実際は30%以上が重複した企業によるリードだった等、問題も起こります。そのため、各部門とコミュニケーションを取り、何か問題が出ていないかを把握してください。その上で、より有効な施策がないかを話し合いましょう。

インサイドセールスマネジメントの人材育成術

目標とする商談数や売上を達成するためには人材育成をして、各自のスキルを強化してボトムアップを図る必要があります。実際に、どのように人材育成を行えば良いのでしょうか?ここでは、インサイドセールスマネジメントの人材育成術をご紹介します。

到達可能な目標を割り当てる

各従業員に目標を割り当てる場合は、到達可能なものを設定しましょう。目標を割り当てる際に便利な法則が「SMARTの法則」です

Specific(明確な) 誰から見ても、分かりやすい明確な目標を立てる
Measurable(測定可能な) 目標の達成度が測定できる測定基準を設ける
Achievable(達成可能な) 努力をすれば達成可能な目標を与える
Relevant(関連性がある) 組織全体のミッションと関連性のある目標を与える
Time-bound(期限のある) いつまでに目標を達成して欲しいのか明確にする

 

チームメンバーに平等な機会を与える

各従業員のモチベーション維持や良好な職場環境の維持には、組織論の基本概念である組織の公平性が必要です。チームメンバーに平等な機会を与えることで、部下の信頼感やモチベーションを上げることができます。欧米の研究調査では、組織の公平性が担保されていると感じられる従業員の方が抑うつ感が少なく、仕事へのモチベーションも高いことが明らかとされています。

適切なインセンティブを付与する

業績に応じて報酬を与えることで従業員の成果への意欲を高められます。各企業によってインセンティブの構築方法は異なるため、自社の特徴を加味して、インセンティブ制度を整えましょう。客観的に見ても適切だと思えるインセンティブを付与することが大切です。

効果的なコーチングを提供する

インサイドセールスでは、顧客情報や営業進捗状況、商談内容がデータで蓄積されていきます。これらのデータを参考にして、各従業員が抱える課題を見つけてコーチングをしましょう。精神論で指導するのではなく、蓄積されたデータから課題になっていることを仮説立てし検証していくことが大切です。

従業員と定期的にコミュニケーションをとる

マネージャーの役割は、チームの目標を共有して、各メンバーの進捗状況を把握して目標達成していくことです。そのため、各メンバーと定期的にコミュニケーションを図り、各自の適正を見極めてメンバーを配置していく必要があります。

また、目標達成のためには、従業員からの意見を出してもらうことも必要です。そのため、従業員と定期的にコミュニケーションをとりましょう。

チームの模範になるように努める

チームメンバーのモチベーションを上げるためには、インサイドセールスマネージャーが模範となることが求められます。口先だけではなく、実務実行力を示すことで、チームメンバーからの信頼が得られるのです。チームリーダーが尊敬できることは、各自の個々の主体的な行動を促す効果も期待できます。そのため、チームの模範になるように努めましょう。

(参照元:inside Sales Box「6 Ways to Keep Your Inside Sales Reps Motivated」)

まとめ

今回は、インサイドセールスマネージャーの3つの役割を担うために実践すべきことを解説しました。最後に簡単におさらいをしておきましょう。

商談数や売上貢献を中心とした目標数値の達成]

  •  インサイドセールスプロセスを定義する
  •  デジタルツールを導入して数値を管理する
  •  営業活動をPDCAサイクルで回していく

 

[分業スタイルとなるインサイドセールスを連携する役目]

  • ビジョンを共有する
  •  KPIを策定する
  •  有効な施策を話し合う

[インサイドセールスで結果を出すための人材育成]

  • 到達可能な目標を割り当てる
  • チームメンバーに公正な機会を与える
  • 適切なインセンティブを付与する
  • 効果的なコーチングを提供する
  • 従業員と定期的にコミュニケーションをとる
  • チームの模範になるように努める

 

いかがでしたでしょうか?ぜひ、インサイドセールスで実践をしてみてください。また、インサイドセールスの実践方法に関しては「茂野明彦著書:インサイドセールス」に詳細が記載されています。ぜひ、興味がある方はお読みください。